内容説明
日本躍進の核心は西欧化されない本質にこそあった!親日家にして、国際法の大家が描く明治日本。三国干渉に異を唱え、大戦時代のヨーロッパにあって国際平和を説き続け、優れた洞察力で時代の暗雲に立ち向かった稀有な国際法学者が、公平な立場で論じた異色の日本論。驚くべき卓見で予測した日本の未来は…
目次
第1部 日本逍遙記(日本の夏休み;蝦夷の秋;日本の冬の旅;山岳地帯への春の旅)
第2部 開国後五十年の日本の発展
第3部 ヨーロッパ化されない日本を見る
オトフリート・ニッポルトについて
著者等紹介
ニッポルト,オトフリート[ニッポルト,オトフリート] [Nippold,Otfried]
1864年生まれ、少年時代、スイスで生活。ベルン、ハレ、チュービンゲン、イエーナの各大学で法学を学び、1886年、イエーナ大学で主専攻の国際法の論文によって、博士学位を得た。1889年に来日し、3年間独逸学協会学校(今日の独協大学の前身)で、法律、ことに国際法を講じた。1892年、スイスに定住し、市民権を得た。国際法学者として、国際平和を説き続け、第一次大戦直後に『ヨーロッパ戦争の原因』を執筆。1938年歿
中井晶夫[ナカイアキオ]
1927年生まれ。上智大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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ニッポルトは、日本人の全生活(衣食住、宗教、芸術)には西欧文化とは異なる文化が潜むと見た(7頁)。京都の冬の旅(80頁~)。伊勢山田に来て、日本人が巧みに優雅に踊ることに相違ないという(73頁)。東西の本願寺で金に驚いている(85頁)。大阪で見るべきものは芝居小屋(107頁)。日本人は素朴で自然に生き、控えめな丁重さと親切さで人に接し、明るい性分を示す人間(157頁)と親日派が感じられる。2015/06/17
くらーく
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蝦夷の秋を読みたくて。明治の北海道はアイヌの記述がちらほら。登別の温泉、室蘭の港と、特徴的なところは抑えられている。ニッポルトが食べられるような食事は出てこない、なんて、どんだけひどい食生活だったのやら。2016/06/17