内容説明
「私はひとつ、人間の第七官にひびくやうな詩を書いてやりませう」。尾崎翠以前の「第七官」使用例をたどり、「第七官界彷徨」の解釈に新境地をひらく。詩によって癒やされ、病から回復する尾崎翠像の再構築。新発見の作品・書簡を収録、同時代評を紹介。
目次
論文編(「第七官」をめぐって―明治期から昭和初期における「第七官」の語誌と尾崎翠の宗教的・思想的背景;「第七官界彷徨」論―「喪失感」と「かなしみ」、「回想」のありかた;「歩行」論―おもかげを吹く風、耳の底に聴いた淋しさ;「こほろぎ嬢」論―神経病、反逆、頭を打たれること;「地下室アントンの一夜」論―ロシア文学受容、統合失調症の精神病理を補助線として)
資料編(新たに確認できた尾崎翠自身による書簡・作品;新たに確認できた同時代評および同時代人との関係を示す資料)
著者等紹介
石原深予[イシハラミヨ]
1975年、京都府出身。京都府立大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得認定退学。博士(文学)。2010‐11年、中国・西安外国語大学東方語言文化学院日本語学部外国人教師。現在、京都府立大学大学院学術研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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