内容説明
残り少ない自らの生涯をあゆむ中で、なにを想い、どのような書物を読んだか。
目次
大岡昇平―『富永太郎画帖』
秋山駿―『中原中也詩集』
中野孝次―セネカ「ルキリウスへの手紙」
水上勉―正岡子規『仰臥漫録』・太宰治『晩年』
永井荷風―森〓外『渋江抽斎』
芥川龍之介―『新約聖書』
著者等紹介
窪島誠一郎[クボシマセイイチロウ]
1941年、東京生まれ。印刷工、酒場経営などへて、79年、長野県上田市に夭折画家の素描を展示する「信濃デッサン館」(現KAITA EPITAPH残照館)を創設、1997年、隣接地に戦没画学生慰霊美術館「無言館」を開設。2005年、「無言館」の活動により第53回菊池寛賞受賞。2016年、平和活動への貢献により第1回澄和フューチャリスト賞受賞。おもな著書に『無言館ものがたり』(第46回産経児童出版文化賞受賞・講談社)、『鼎と槐多』(第14回地方出版文化功労賞受賞・信濃毎日新聞社)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
108
「あなたは生涯を閉じるようとする時どんな本を読みたいですか」6名の著名な文学者が机辺枕辺に置いていた本を取り上げて、その本を手に取った心情を推測する。大岡昇平、秋山駿、中野孝次、水上勉、永井荷風、芥川龍之介。この内4人は著者が実際にその場を見ただけに、リアルさが際立つ。元気な時に死を思うのと、いよいよ衰弱した時の見える世界は違いがあるらしい。中野孝次の枕頭の書セネカ「ルキリウスへの手紙」が最も印象に残った。著者は水上勉の息子。父水上勉が死んだ85歳に近づくにつれ、いつか来る日に手にする本を思うのである。2023/06/09
アオイトリ
19
タイトルに惹かれて)窪島誠一郎、初読。本棚の断捨離をしている私にはとても響いた一冊。私も息を引き取る直前まで手元に置きたい本という解釈で楽しみました。大岡昇平の「富永太郎画帳」。秋山駿「中原中也詩集」。中野孝次「セネカ、ルキリウスへの手紙」。水上勉「正岡子規 仰臥漫録、太宰 晩年」。永井荷風「鴎外 渋江抽斎」芥川龍之介「新約聖書」著者と作家たちの交流や解釈が味わい深くて、堪らない。安直な多読に溺れていた時間がもったいなく反省しきりです。つい最近、借り物のセネカをなくしたばかり!これは再読のご縁かしら。2023/09/16
-
- 和書
- 一次元のココロ - 詩集