内容説明
連赤、内ゲバ、爆弾闘争―。混沌とした70年代を生きた3人の思想、行動、葛藤、愛が交錯する切実長編小説。
著者等紹介
小嵐九八郎[コアラシクハチロウ]
1944年、秋田県生まれ。早稲田大学卒。『鉄塔の泣く街』『清十郎』『おらホの選挙』「風が呼んでる」がそれぞれ直木賞候補となる。1995年、『刑務所ものがたり』で吉川英治文学新人賞受賞。2010年、『真幸くあらば』が映画化。歌集など著者多数。近年は歴史小説に力を入れ、『悪武蔵』など話題作を生み出している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たんかともま
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当時を知らない者からするともはや時代小説。固有名詞が多く登場し、中には名前すら知らない物も登場するが、基本は有名どころなので何とかついていける。それらによってより70年代半ばの空気感がつくられているため詳しい方が楽しめそう。「愛か革命か」の愛側に比重を置く女主人公と革命側に比重を置く男たちの対比によって、多面的に時代が浮き彫りになる。野坂の『エロ事師たち』をそれぞれ解釈しているのも違いがあって面白い。大事件は起こらず、内面的な物語だが、恋愛面で読み進めると女が生き生きしていてよい。また、一番共感しやすい。2018/10/26