国道3号線―抵抗の民衆史

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  • サイズ B6変判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784907986735
  • NDC分類 219.06
  • Cコード C0030

内容説明

九州を掘りおこせ!鹿児島の西南戦争から北上し、水俣病裁判、サークル村、筑豊炭鉱、米騒動まで、中央に抗し続けるこの“島”の闘いをたどる物語。

目次

第1章 新政府か反動か、あるいは…西南戦争・山鹿コミューン・アジアの革命
第2章 水俣病と悶え
第3章 炭鉱と村
第4章 米騒動

著者等紹介

森元斎[モリモトナオ]
1983年、東京都に生まれる。長崎大学教員、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。専攻は、哲学、思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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国士舘大学そっくりおじさん・寺

72
この森元斎という学者さんは、ちくま新書で『アナキズム入門』という面白そうな本を書いているので、いつか1冊読んでやろうと思っていたら、こんな面白い本を読めて良かった。九州を貫く国道3号線。鹿児島から門司へ至る過程で、西南戦争や水俣病、炭鉱に米騒動と、九州の抵抗史を紹介してくれる。近頃、熊本の橙書店・田尻久子さんの本を読むようになって、つくづく考えるが、熊本人というのは「肥後のもっこす」と言われるだけの気骨があるのは確かだと思う。人を救う人を産む土壌。「土佐のいごっそう」高知もそうだよなあ。オススメします。2020/11/22

かんがく

12
前近代にはアジアに開かれた国際的な地域であったが、近代化の中で炭鉱開発や水俣病などの様々な問題を押し付けられ、国内にある「植民地」と化した九州。そのような近代化に対しての西南戦争、宮崎滔天、石牟礼道子、谷川雁などの「抵抗」の思想を扱った一冊。鹿児島から「東京」方面に向って国道3号線を上っていく描き方も象徴的。オルタナティブとしての九州のパワーを感じた。九州・沖縄・台湾・朝鮮などを媒介に東アジア史を考えていく必要がある。2021/02/14

mittsko

5
ボクがいつも言おうとしていることが、豊かに書かれていた 「アナーキズム」「コミューン」「村」「抵抗運動の歴史」の九州論(なんと魅力的か!)とはつゆ知らず、素朴にただ、副題「抵抗の民衆史」に惹かれて入手した ボクにも有意義としか思えない一本筋が通っていて、強く感銘をうけた 素晴らしい 負けて負けて負けて負けて、それでもなお滓かに残る点々と点々… ※ 森先生の本は初めて 端正さと荒々しさを兼ね備えた文体が、とても魅力的だと思った ※ 森先生が思弁的実在論に対してもつ関心の在り方を知りたいな2025/03/19

Tom

3
昨年、ジョニー・デップ主演の映画『MINAMATA』を観た。出来はちょっとアレだったが、水俣病への理解は少しは得られた。労働者が暴力を伴うような過激な行動に出られたのは、企業側もまた暴力を用いて労働者を従わせようとしたその反発があったのではないか。当時のチッソは暴力団を雇ってまで、抗議者たちを弾圧していた。今、企業がそのようなことはしない。法の中で、粛々と労働者たちを従わせている。ある意味、こちらのほうがよっぽど悪どい。真綿で締めつけられるとはこのことだ。2022/07/12

Hiroki Nishizumi

3
著者の目線が何故か馴染めない。いろいろエピソードを織り込んでいるのは良いが、少々まとまりに欠ける印象だった。2021/05/22

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