内容説明
戦前/戦後に合衆国に渡航した日系移民は、どのような葛藤と変遷を経て自らの音楽文化を構築したのか。女性たちの活躍、強制収容所での芸能、家元制度の受容と変容、そして日本語の喪失にいたるまで、音楽を通して両国の文化的根源を掘り起こす、稀有な研究成果。
目次
日系社会の音楽研究に向けて
第1部 日系音楽文化史(移民から太平洋戦争まで―日本文化の移植とアメリカ文化の受容;強制収容所の音楽・芸能―葛藤と平和への希望の中で;太平洋戦争後―新移民、新世代とともに変わる文化)
第2部 日系音楽文化の考察(エスニック・マイノリティとしての日系人の音楽;南カリフォルニアの日本音楽・芸能における家元制度;南カリフォルニアの日本伝統音楽における音楽と言語;日系人の音楽における文化融合;日系音楽文化百年史の俯瞰)
著者等紹介
早稲田みな子[ワセダミナコ]
1966年、東京都に生まれ、神奈川県に育つ。カリフォルニア大学サンタバーバラ校大学院民族音楽学博士課程修了(Ph.D.)。現在は、国立音楽大学教授。専攻は、音楽民族学、アメリカ日系音楽文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こひた
1
好きな音楽を語れないと「人権がない」国が最近のアメリカと又聞き。カルチャーのブラックとホワイトで棲み分けが激しいのwhite chicksでパロってたし,「日本の音楽」ってイメージの軸がないというか,ソフトパワーこそtier1のアニソンとか向こうでも通用してるテクノだシティポップとあるけど,良くも悪くも多層的で「イエローカルチャーはこれや」ってないのをこの切り口で初めて突きつけられ,音楽ねんねなりに危機感をもたされたし実際の現地は大変だったろうなと。「そんな楽器も輸入したの?」ってのがオモロポイント。2024/06/13