内容説明
江戸時代の「絵解き」、映画の発明、当時の首相を超えるギャラ、関東大震災、女性弁士、トーキーの登場、未曾有のスト…。映画『カツベン!』でも話題になった、初期の日本映画に欠かせない存在、「活動写真弁士」。本書は、国際的に活躍する現役の活動弁士が執筆した初の通史。新発見の事実や資料を駆使して従来の映画史の欠落を埋め、時代に翻弄される群像を描く、天下無双の決定版。類書にない詳細な弁士名鑑、人名索引を収録。貴重図版約200点。
目次
第1章 活動写真弁士以前
第2章 映画の輸入と弁士の誕生―口上の時代
第3章 活動写真巡業隊―広がってゆく映画と弁士
第4章 常設館の登場―花開く弁士文化
第5章 『ジゴマ』ブームと声色弁士
第6章 アメリカ映画の台頭と純映画劇運動―活動写真弁士の黄金期
第7章 活動弁士から映画説明者へ―説明芸術の誕生
第8章 “外”へ向かう活動写真弁士たち
第9章 活動写真弁士時代の絶頂と終焉
第10章 トーキー時代とその後の弁士たち
活動写真弁士小伝
解説 活動写真弁士という存在(周防正行)
著者等紹介
片岡一郎[カタオカイチロウ]
1977年、東京都に生まれる。日本大学芸術学部演劇学科卒業。活動写真弁士、声優。2002年、活動写真弁士の澤登翠に入門、同年2月にデビュー。2020年現在、説明した無声映画作品は300作を数える。日本を代表する活動写真弁士として国際的にも活躍しており、クロアチア、ドイツ、アメリカ合衆国、オーストラリア、ロシア、オランダ、デンマーク、中国など十数カ国に及ぶ。また、映画やゲームのナレーション、ボン大学日本語クラス特別講師(2014年)など、その活動は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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