内容説明
アドリア海に面し、重層的な歴史が多くの人びとを魅了しつづける国境都市、トリエステ。この港街を舞台に過去と現在で交錯し、燦めく一瞬の光芒を鮮やかにとらえた、現代イタリア文学の巨匠による待望の短篇集。
著者等紹介
マグリス,クラウディオ[マグリス,クラウディオ] [Magris,Claudio]
1939年、イタリア・トリエステに生まれる。作家、批評家、翻訳家、研究者。1994年から96年まで、イタリア共和国元老院議長。オーストリア国家賞(2005)、スペイン芸術文学勲章(2009)、フランツ・カフカ賞(2016)など、受賞・受勲多数。邦訳に、『ミクロコスミ』(ストレーガ賞、二宮大輔訳、共和国、2022)などがある
二宮大輔[ニノミヤダイスケ]
1981年、愛媛県に生まれる。関西学院大学卒業後、イタリアに留学。2012年、ローマ第三大学文学部卒業、現在は、通訳・翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヘラジカ
38
硬質だが流麗な文章に魅せられる、短くも濃厚な短篇集。表題作の「クレムスの曲がりくねる時間」は通読するには少々難易度が高い『ミクロコスミ』のエッセンスを短時間で味わうことが出来る。まだまだ邦訳が少ない作家ではあるが、間違いなく入門に相応しい一冊だろう。2026/02/14
Acha
10
小編が五つ。どれも主人公は円熟期も過ぎようという頃、自らの来し方や生きた時代と、現実を交差させていく。思考は自由に移ろい、流れるように情景が描き出される。その静かなうねりが心地良い。わずかに痛みが感じられるのも多分ツボ。しかし掴みづらい(笑)。ので、短いのをいいことに一作ずつ何度も読み返しながら咀嚼した。詩のような味わい方かもしれない。タブッキも私にはそんな味わいだったことを思い出す。原語の響きなら、よりふくよかに美しさが際立ちそうだ。全て掴みきれないままだが、たゆたう愉悦。2026/04/30




