塹壕の戦争

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  • サイズ A4判/ページ数 188p/高さ 30cm
  • 商品コード 9784907986124
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0022

出版社内容情報

第一次世界大戦の《リアル》を徹底的に描き出して、「コミックのアカデミー賞」と呼ばれるアイズナー賞を受賞したフランスの巨匠タルディの代表作、ついに日本初上陸。この戦場の《リアル》を直視するところから、いま、私たちの現代史は幕を開ける。







作中の兵士のひとりはこう自問自答する。「なぜこんな酷いことになったのか?……惨憺たる結果にして恥辱、文明の退行ではないか」。

「平和」を目的として勃発したこの戦争は世界中に破壊と殺戮を蔓延させ、 万人もの戦死者を出した。「なぜ」このような戦争が足かけ 年も続いたのか──フランスを代表する漫画家タルディは、本作をもってこの「なぜ」に挑む。前線に掘られた暗く泥まみれの塹壕でたたかう兵士のひとりひとりを主人公に据えたタルディの視線は、きわめて低い。その低さゆえに、この漫画に描かれるのが、まさに自分自身であり、身近な誰かであることを予感させるのである。

まえがき



ジャン=ピエール・ヴェルネへの謝辞



塹壕の戦争



エッセイ



イラスト・コレクション



2014年版あとがき



訳者あとがき

タルディ[タルディ]
1946年、フランス・リヨン生まれ。フランスを代表するバンド・デシネ作家のひとり。リヨン美術学校、パリ装飾美術学校に学ぶ。
1969年、『パイロット Pilote』誌で漫画家としてデビュー。以後、50点以上の単行本、6点のイラスト集のほか、イラストレーターとしても活躍している。1985年にアングレーム・コミックフェスティヴァルでグランプリ受賞、2011年には本作でアイズナー漫画賞(最優秀実話作品賞)を受賞するなど、国際的な名声を博している。
代表作『アデル・ブラン=セックの奇妙な冒険』は2007年までに全9巻を刊行し、2010年にはリュック・ベッソン監督により映画化。
2013年にはレジオン・ドヌール勲章の受勲を拒否して話題になった。

藤原貞朗[フジハラ サダオ]
1967年、大阪府生まれ。茨城大学人文学部教授。大阪大学大学院後期課程退学。専門は、美学・美術史。
おもな著書に、『オリエンタリストの憂鬱──植民地主義時代のアンコール遺跡の考古学とフランスの東洋学者』(めこん、2008年。第26回渋沢・クローデル賞本賞、第31回サントリー学芸賞)、『山下清と昭和の美術──「裸の大将」の神話を超えて』(服部正との共著、名古屋大学出版会、2014年)など。
おもな訳書に、ダリオ・ガンボーニ『潜在的イメージ──モダン・アートの曖昧性と不確定性』(三元社、2007年)などがある。

内容説明

戦記コミックの金字塔。第一次世界大戦の“リアル”を徹底的に描き出して、「コミックのアカデミー賞」と呼ばれるアイズナー賞を受賞したフランスの巨匠タルディの代表作、ついに日本初上陸。この戦場の“リアル”を直視することから、いま、私たちの現代史は幕を開ける。

目次

塹壕の戦争
エッセイ
イラスト・コレクション

著者等紹介

タルディ[タルディ] [Tardi]
1946年、フランス・リヨン生まれ。フランスを代表するバンド・デシネ作家のひとり。リヨン美術学校、パリ装飾美術学校に学ぶ。1969年、『パイロットPilote』誌で漫画家としてデビュー。以後、50点以上の単行本、6点のイラスト集のほか、イラストレーターとしても活躍している。1985年にアングレーム・コミックフェスティヴァルでグランプリ受賞、2011年には『塹壕の戦争』でアイズナー漫画賞(最優秀実話作品賞)を受賞するなど、国際的な名声を博している

藤原貞朗[フジハラサダオ]
1967年、大阪府生まれ。茨城大学人文学部教授。大阪大学大学院後期課程退学。専門は、美学・美術史。おもな著書に、『オリエンタリストの憂鬱―植民地主義時代のアンコール遺跡の考古学とフランスの東洋学者』(めこん、2008年。第26回渋沢・クローデル賞本賞、第31回サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

94
人が血を流した分だけ拡がる国土。突撃に加わらない兵を塹壕から追い出すため味方がそこに砲撃を加える。巻き添えで死ぬ者もいる。示しがつかない。一段落ついたら中隊から誰でもいい、3人選んで見せしめに銃殺刑にする。包囲された町から女性や子供たちを人間の楯にして脱出を図る敵、問答無用で一斉射撃を命じる上官。自分が殺したかもしれない母子が夜な夜な現れ罪悪感に苛まれる。これほどトラウマな絵本があろうか。スタイナー軍曹みたいな人物はいない。有刺鉄線に引っかかった肉塊となり生還したジョニーのことも思い出した。江戸川乱歩も。2018/12/03

ののまる

18
第一次世界大戦の西部戦線。塹壕戦って、有刺鉄線って、こういうことだったんだ・・・漫画(イラスト)だから余計に胸に突き刺さる。まさに無駄死に。何のために、彼らは死んでいったんだろう。数メートルの陣地の取り合い。そして、その間に首脳陣は政治ゲームの時間稼ぎ。2014年が開戦100周年で欧州はいっぱいイベントしていたんだ。。。日本では第一次世界大戦って、忘れさらている位置づけだなと痛感する。しかしこの数年後に、次の大戦が再びというのが、人間って怖い、いや人間じゃなくて、、、何だろう?国家?権力?2018/08/15

チェアー

17
ただただ無駄死が描かれる。そこには自発性はなく(当たり前だ。だれが好んで戦場に死ににいくものか)、栄光もなく、あるのは悲惨な遺体の山と麻痺してしまうほどの悲劇だ。ここまでバカらしいと哀しみも沸いてこない。見えないところでかけられた号令のせいで、多くの遺体が見えるところに放置される。なんとも皮肉で救いがたい。2017/02/04

kentaro mori

5
無数の死者たちによる証言録。本邦初紹介ということで、その価値は大きい。●「今なお私たちはあの塹壕にいるのではないか?東であれ西であれ、まだ戦場に、要するに「ノーマンズ・ランド」にいるのではないだろうか?・・・激しい戦闘が繰り広げられる前線と前線のはざまにいるのではないか!そう、本当に怖いのは、1914-1918年の第一次世界大戦というよりも、大文字の「戦争」そのものだ・・・」2018/06/08

Yasutaka Nishimoto

5
第二次大戦を敗戦として、最後の戦争に位置づけている我が国では、第一次大戦というのは既に歴史なのかもしれない。肉弾戦による無名戦士の死を描く本書は、その歴史を生々しく掘り返してくれた。2017/04/07

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