出版社内容情報
第一次世界大戦の《リアル》を徹底的に描き出して、「コミックのアカデミー賞」と呼ばれるアイズナー賞を受賞したフランスの巨匠タルディの代表作、ついに日本初上陸。この戦場の《リアル》を直視するところから、いま、私たちの現代史は幕を開ける。
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作中の兵士のひとりはこう自問自答する。「なぜこんな酷いことになったのか?……惨憺たる結果にして恥辱、文明の退行ではないか」。
「平和」を目的として勃発したこの戦争は世界中に破壊と殺戮を蔓延させ、 万人もの戦死者を出した。「なぜ」このような戦争が足かけ 年も続いたのか──フランスを代表する漫画家タルディは、本作をもってこの「なぜ」に挑む。前線に掘られた暗く泥まみれの塹壕でたたかう兵士のひとりひとりを主人公に据えたタルディの視線は、きわめて低い。その低さゆえに、この漫画に描かれるのが、まさに自分自身であり、身近な誰かであることを予感させるのである。
まえがき
ジャン=ピエール・ヴェルネへの謝辞
塹壕の戦争
エッセイ
イラスト・コレクション
2014年版あとがき
訳者あとがき
タルディ[タルディ]
1946年、フランス・リヨン生まれ。フランスを代表するバンド・デシネ作家のひとり。リヨン美術学校、パリ装飾美術学校に学ぶ。
1969年、『パイロット Pilote』誌で漫画家としてデビュー。以後、50点以上の単行本、6点のイラスト集のほか、イラストレーターとしても活躍している。1985年にアングレーム・コミックフェスティヴァルでグランプリ受賞、2011年には本作でアイズナー漫画賞(最優秀実話作品賞)を受賞するなど、国際的な名声を博している。
代表作『アデル・ブラン=セックの奇妙な冒険』は2007年までに全9巻を刊行し、2010年にはリュック・ベッソン監督により映画化。
2013年にはレジオン・ドヌール勲章の受勲を拒否して話題になった。
藤原貞朗[フジハラ サダオ]
1967年、大阪府生まれ。茨城大学人文学部教授。大阪大学大学院後期課程退学。専門は、美学・美術史。
おもな著書に、『オリエンタリストの憂鬱──植民地主義時代のアンコール遺跡の考古学とフランスの東洋学者』(めこん、2008年。第26回渋沢・クローデル賞本賞、第31回サントリー学芸賞)、『山下清と昭和の美術──「裸の大将」の神話を超えて』(服部正との共著、名古屋大学出版会、2014年)など。
おもな訳書に、ダリオ・ガンボーニ『潜在的イメージ──モダン・アートの曖昧性と不確定性』(三元社、2007年)などがある。
内容説明
戦記コミックの金字塔。第一次世界大戦の“リアル”を徹底的に描き出して、「コミックのアカデミー賞」と呼ばれるアイズナー賞を受賞したフランスの巨匠タルディの代表作、ついに日本初上陸。この戦場の“リアル”を直視することから、いま、私たちの現代史は幕を開ける。
目次
塹壕の戦争
エッセイ
イラスト・コレクション
著者等紹介
タルディ[タルディ] [Tardi]
1946年、フランス・リヨン生まれ。フランスを代表するバンド・デシネ作家のひとり。リヨン美術学校、パリ装飾美術学校に学ぶ。1969年、『パイロットPilote』誌で漫画家としてデビュー。以後、50点以上の単行本、6点のイラスト集のほか、イラストレーターとしても活躍している。1985年にアングレーム・コミックフェスティヴァルでグランプリ受賞、2011年には『塹壕の戦争』でアイズナー漫画賞(最優秀実話作品賞)を受賞するなど、国際的な名声を博している
藤原貞朗[フジハラサダオ]
1967年、大阪府生まれ。茨城大学人文学部教授。大阪大学大学院後期課程退学。専門は、美学・美術史。おもな著書に、『オリエンタリストの憂鬱―植民地主義時代のアンコール遺跡の考古学とフランスの東洋学者』(めこん、2008年。第26回渋沢・クローデル賞本賞、第31回サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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