目次
1(虹;キミガアヨオ;沼棲み;肩幅;裸体画 ほか)
2(まいまいず井戸;朝比奈;薬草;敗残深し;そらめながしめ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
曰
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この先も生きてゆく だが薄く死ぬ ちひさく再生する 引越し/茶も出さず金も返さず百五十円飲み込んだまま自販機の黙/霧雨の路地のかたへに襤褸屑と化しつつ魚は宙へ目を開く などが好き。2018/07/25
Kaoru Murata
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斎藤寛さんは「短歌人」で私と一緒に校正を担当している。実にまじめで折り目正しい方だが、お茶目でユーモラスな面もある。/一枚の硝子を背負ふ人の来て一人に負はるる硝子が行けり/ホチキスの針逆らへば綴ぢ直す[家族]いづれはほどけゆかむを/綱取りを遂げたる力士に掲げられ鯛は黙して床を見てゐる/螢田より風祭まで胴赤き夏の電車に運ばれゆきぬ/時間とふクスリ効く人効かぬ人わたくしなどはとことん効かぬ/青々と深みゆくらし大寒の黙(もだ)と黙(もだ)との行き交ふ空は2015/08/04