目次
1(確定条件の力(斎藤茂吉)
茂吉の指示詞(斎藤茂吉) ほか)
2(題詠のなかのリアル(税所敦子)
心を飛翔させる術(正岡子規) ほか)
3(佐太郎の助詞(佐藤佐太郎)
純粋短歌の完成態(佐藤佐太郎) ほか)
4(子断ちの思想(山中智恵子)
意識流の記述(森岡貞香) ほか)
著者等紹介
大辻隆弘[オオツジタカヒロ]
1960(昭35)年三重県生。龍谷大学大学院文学研究科(哲学)修了。1986(昭61)年未来短歌会入会。岡井隆氏に師事。現在、「未来」選者、「レ・パピエ・シアン2」代表。現代歌人集会理事長、中部日本歌人会副委員長、現代歌人協会会員、日本文藝家協会会員。皇學館大學講師、三重県立高等学校教諭。歌集:『抱擁韻』(1998・第24回現代歌人集会賞)、『デプス』(2002・第8回寺山修司短歌賞)など。歌書:『時の基底』(2008・第18回中部日本歌人会梨郷賞)、『アララギの脊梁』(2009・第8回日本歌人クラブ評論賞・第12回島木赤彦文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
21
#感想歌 過剰じゃない斎藤茂吉精神科歌人もともと自意識過剰 表現は過剰ではない赤のいろ彩度は過剰危険だ走れ 現代の現在分岐今継続英語感覚日本語にもね 時間なら空間同様自由自在相対性を認識すれば 私性より話者と聞き手の関係が言葉の意味を同定できる 中島敦最近有名アニメでは文豪ストレイドッグス読もう 啄木はココアの一匙読みましょう決してテロは礼賛しない 子を持たぬ女性の心情後からは推測しない男の矜持2017/04/27
はち
5
うまく感想を書くことができないのだが…。近代短歌と現代短歌を比較した最後の二編は必読であろう。近代短歌を読む時に引っかかる部分をうまくほぐしていて、私みたいに斎藤茂吉などの短歌を読みこなれていない人間への入門書としてもいいのではないだろうか。また、伊良子清白(歌人というより詩人として有名)や中島敦(言うまでもない)の短歌を取り上げるのも面白い。中島敦の短歌は比較的手に入りやすいみたいなので近々読んでみよう。最近の時評を読む限り、大辻さんの今の興味は現代短歌と近代短歌の時間表現にあるように思う。こないだの土2015/11/18
浦和みかん
3
後ろ二編は短歌という詩型を考える上でどこへ行っても役に立ちそう。近代短歌の諸作者の論も面白いので(近代短歌への理解が浅い私にとって)よい架け橋になる。2016/11/04
yumicomachi
1
一首一首の歌の緻密な読みが大きな結論を導き出す道筋を追う愉悦は、近代短歌を扱うからこそより深みあるものとなったように思う。茂吉や啄木の様々な面を知るとともに、未知の歌人との出会いもあった。第3回佐藤佐太郎短歌賞受賞評論集。2016/11/25