内容説明
大切なのは「ふざけ」「いたずら」「ずる」「脱線」叱らない、教えない、でも子どもは育つ。「いもいも」教室主宰、栄光学園教員、井本陽久に密着した笑いと涙の「先生ルポルタージュ」
目次
第1章 「ド変態」たちの教室
第2章 「プルッと体験」が止まらない
第3章 伝染るんです
第4章 ジャッキー・チャン参上
第5章 鬱るんです
第6章 「奇跡」のレシピ
著者等紹介
おおたとしまさ[オオタトシマサ]
教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。講演・メディア出演も多数。中高教員の資格、心理カウンセラーの資格、小学校教員の経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kentaro
37
急激なグローバリゼーションだとか、情報技術の発展だとか、AIの進歩だとか、世の中は大きく変化している。だから教育も変化しなければいけないとも叫ばれている。しかしともすると、そのような言説をもとに繰り広げられる教育論議は、世の中の変化に、どうやって子どもたちを対応させるのかという話に陥りがちだ。まったくあべこべだ。子どもたちが未来をつくるのであって、当たりっこない未来予想図に合わせた子どもたちをつくるのではない。教育の役割は、子どもたちに未来をつくる力を携えさせることであり、未来に怯えさせることではない。2019/11/18
まさ
28
井本さんの授業を追った番組を先日観て興味を持った。このエネルギーはどうやって生まれてくるのだろう。そんなことを考えながら読んだ。正解を各々が考える数学の授業、そして、生き方。数学という答えが導かれるものに留まらず、可能性を探し続ける姿勢がとても素敵です。「承認」がつくる社会って多様性と同じだよね。2020/01/27
りょうみや
19
進学校の教師の枠を超えて私塾、海外まで教育活動を行う教師のお話。カリスマ教師と呼ばれる人はやはり確固たる教育哲学を持っている。数学を通じて試行錯誤させ論理だけでなく個人が持つ感性を育てる。人のありのままを承認すれば勝手に伸びていくと考える。その承認が次々と人を引きつけ、さらによい流れを作っていく。最終的には、生まれ持った違いの部分には価値はない、つまり存在以外に価値はなく、本当に自由になれる境地を目指しているという。文中に教育は何を教わるかではなく、誰に教わるかという保護者の言葉も印象的。2019/05/22
柊
14
「子どもたちが未来をつくるのであって、当たりっこない未来予想図に合わせた子どもたちをつくるのではない。教育の役割は、子どもたちに未来をつくる力を携えることであり、未来に怯えさせることではない。」いやもうほんとにそう。教師だけでなく、親ですら「将来のために」とかなんとかいって未来に向けた準備を子にさせるけど、どうせそんなん当たらないから。無駄。「いいところを伸ばす」っていうのもエゴだな。人間は本来勝手に向上するものだし。外部から無理矢理に押さえつけて良いことなんてなにもない。良い本だった。2019/12/07
カッパ
12
カリスマ教師でありながら努力と工夫を怠らない姿に脱帽。決して胡坐をかくわけではなく常に改善するスタンスをもつから出来上がったものだと感じる。新人教師にむける1週間だけでいいから限界までやるなどは確かにそうなのだと思う。教師だけで決まるわけではない。確かにそうかもしれないが多感な時に受ける影響は小さくはないだろう。2020/01/10