感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
makimakimasa
8
読み聞かせの重要さ再認識に。生涯で最も大切な時期は0~10歳、その間にいかなる深い愛の体験(抱かれる事、語り掛けられる事、笑い掛けられる事)を与えてやれるか。絵本の中で「行って帰る」経験を繰り返す事は、子供自身が心の奥で安心して帰る事の出来る場所の確認作業になる。恐くなったらいつでも逃げ込める人、抱いてくれる人、そんな水先案内人の語り掛けに守られ促されてこそ、心の拠り所を得て旅に出れる。どんなに感受性が豊かな大人でも今更ピーターラビットになれないが、子供は主人公に自己同一化し、豊かな物語体験を積んでいく。2023/01/14
くま
2
絵本に関して斎藤先生の本は本当にためになります。仕事上絵本とは切っても切り離せない。もっと勉強して2020年は「インプット<アウトプット」になるように努力します2019/12/02
まあやん
2
再読です。10年以上も前の本だけど、説得力あり。幼い子の読書には水先案内人が必要。水先案内人ほど楽しいものはない。ぜひぜひおかあさん、おとうさん、一時テレビを消して、行きて帰りし物語をこどもと一緒に楽しんでほしい。2016/06/10
鳩羽
2
十年以上前の本だが、子どもの本がこんなに吟味され論じられ与えられるなら、これほど豊かなことはないなと思った。行きて帰る物語の構造だとか、子どもにとって冒険でもある物語の案内人になれる親しい大人の存在の必要性など、子どもにとっての読書は「楽しむ」ことが第一ではあっても、大人の「娯楽」と同じに扱ってはいけないものなのだろう。2012/11/01
蝉海
1
長年児童文学の編集を経験し、自らも執筆する著者の講演録。一部、疑似科学めいた箇所もあるが、「行って帰る」ことを児童文学の王道と考えるその論旨は、基本的に芯が通っていてかつ含蓄の深さを感じるものだ。『ガンバ』シリーズのファンなら読んで損はない一冊。2015/02/02