内容説明
数々のアメリカ文学作品の翻訳に従事してきた著者が、メルヴィルの『クラレル』や『白鯨』、フォークナー、オコナー、スタイロンらの作品を取り上げ、日米の研究者たちがおかしてきた誤読や誤訳を解説、さらにそれらの作家たちに大きな影響を与えた聖書を「イザヤ書」の死海写本にまで遡る。
目次
クレバスに心せよ!(ウィリアム・スタイロン、『闇の中に横たわりて』;ウィリアム・フォークナー、『八月の光』;フラナリー・オコナー、『賢い血』;ハーマン・メルヴィル、『クラレル』;ハーマン・メルヴィル、『白鯨』)
ハーマン・メルヴィル『クラレル』論―if there be no God(長詩『クラレル』の受けた書評、つまり酷評;『クラレル』におけるメルヴィルの想像力は、死についての想像力である)
『クラレル』翻訳余録(『クラレル』の内容の概略、および『クラレル』の受けたアメリカでの書評;『クラレル』論の執筆者たちのおかした誤解および誤読;『クラレル』の原書に付けられた編者たちによる脚注のなかの誤り;日本人の研究者による誤訳)
『死海写本 イザヤ書』に分け入って(須山のヘブライ語学習のいきさつ;タビデ王は息子アブサロムを愛していたか、憎んでいたか;銀座教文館に展示してあるイザヤ書の複製;死海写本とビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシアとの相違点)
著者等紹介
須山静夫[スヤマシズオ]
1925年静岡市に生まれる。明治大学教授として学部・大学院で長年教鞭をとったのち、聖学院大学教授を定年まで務める。アメリカ文学専攻。2011年歿。著書に『神の残した黒い穴―現代アメリカ南部の小説』(第1回アメリカ研究図書賞受賞。花曜社、1978年)、『海鳴り』(小説。近代文藝社、1981年)、『腰に帯して、男らしくせよ』(短篇小説・エッセイ集。東峰書房、1986年)。同書に収録されている「しかして塵は―」で第3回新潮新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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