内容説明
マリア・テレジア、ヴィクトリア女王など、栄光を浴びた女たちの陰にはつねに強く激しい男たちがいた。“女帝”を愛し、“女帝”と戦い、歴史を動かした男たちの壮絶な生涯。“陰の男たち”に光をあてる画期的なノン・フィクション。
目次
陰の男―マリア・テレジア(1717‐1780)とフランツ・シュテファン(1708‐1765)(父祖の地;父レオポルトの策略;マリア・テレジアの誕生;フランツ・シュテファンの登場 ほか)
バラの鎖につながれて―ヴィクトリア(1819‐1901)とアルバート(1819‐1861)(ドイツの小さな公国;アルバートの誕生;母の悩み;アルバートの不幸 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずこまめ
7
おしどり夫婦がどちらか片方がひたすら我慢することで成り立っているのなら、ちょっと切ない。男性上位社会の中で妻の方が圧倒的に地位が上というのはいろいろ大変なのでしょう。2015/12/19
印度 洋一郎
4
マリア・テレジアとヴィクトリア女王、どちらも名君で、しかも夫とはおしどり夫婦だったと言われている。しかし、夫の側から見るとどうなるか?財務能力に長けながらも才能をほとんど発揮出来なかったフランツ・シュテファン。反独感情の強いイギリスに受け入れてもらうために終生身を削り続けたアルバート公。その人生は忍耐と気配りの日々だった。二人とも夭折してしまったのは偶然ではないのだろう。そして、妻達は夫を愛しながらも、臣下として扱うことを忘れなかった。女王や女帝の夫とは、何とも辛い立場のようだ。2010/11/20
Mana
1
マリア・テレジアの夫フランツ・シュテファンとヴィクトリア女王の夫アルバート。二人とも女王の夫という難しい立場で苦労を重ねていたことがよく分かる。どちらも妻より先に亡くなってしまったのは心労のせいかなと思ってしまう。けっこう薄いけど内容は十分。文章も読みやすい。2012/03/17
こうふく母
0
女帝の人生を記した本は数あれど、配偶者にスポットライトを当てて書いた本は見たことがなかった。ここに書かれたふたりの男性は世の中ではできた人物として認知されているし、妻から愛されていたと思う。が、妻の方が位が高く、本当は自分の方が才能豊かであることの生きづらさ、息苦しさが伝わってくるようだ。2024/02/02