内容説明
バチカン美術館の地下に眠る膨大な数の極秘史料群のうち、ローマ教皇ピウス12世に関する機密文書が2020年に公開された。ピウス12世の在位は1939~1958年であり、第二次世界大戦の時期に重なる。ただし、閲覧を許されたのは学者、学識経験者、各国政府関係者のみで、メディア関係者は公開の対象外だった。それでも著者はあきらめることなく史料群の閲覧に成功。そこには、日米開戦前夜の日米和平交渉についてなど、驚くべき記述が含まれていた。限られた時間、厳しい閲覧規制、困難な判読、苛烈を極めたコロナ禍のローマというなかで、一人の記者が3年をかけて、太平洋戦争にまつわる極秘文書を解読し、まとめあげた労作。
目次
第1章 原爆投下三カ月前の「極秘電報」
第2章 それは「一枚の紙切れ」から始まった
第3章 「生き残ったら奇跡」というバチカンへの報告
第4章 バチカンに和平仲介を求めた松岡洋右
第5章 それでも止められなかった破滅的な戦争
第6章 「バチカンは満州国を承認した」は本当か
著者等紹介
津村一史[ツムラタダシ]
共同通信社記者。1979年、鹿児島県に生まれる。東京大学法学部を卒業。2003年、共同通信社に入社し、宮崎支局などを経て本社政治部で鳩山由紀夫、菅直人両首相番を担当する。東日本大震災発生翌日の2011年3月12日、菅首相による東京電力福島第1原発視察に記者としてただ一人同行、全電源喪失が起きた原発で取材を行った。カイロ支局を経て、2015年から本社特別報道室。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の公式メンバーとしてタックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴いたパナマ文書報道に参加。2023年から名古屋編集部次長を務め、2024年に起きた能登半島地震を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Yasuhisa Ogura