内容説明
地球外生命の起源と進化の可能性は、地球のそれらを手がかりに探ることができる。無から宇宙が誕生し太陽がつくられ、水のある地球が生まれ、生命が誕生した。木星の衛星や天の川銀河の星など、地球以外に生命はいるのだろうか。いるとすれば、どのような形をしているのか。SFに描かれるような知的生命はいるのだろうか。これから先、人類はさらなる進化を遂げるのか。SFファンの分子生物学者が、現在の科学的知識をもとに地球外生命の可能性や、人類の未来の可能性について思考実験を試みる。
目次
第1章 生命誕生のシナリオ
第2章 知的生命誕生の条件
第3章 天の川銀河での可能性
第4章 タイタンでの可能性
第5章 地球の生物に似ている可能性
第6章 最新科学で読むSFの想像力
第7章 地球人類のさらなる進化
第8章 SFが描く未来からの警鐘
著者等紹介
山岸明彦[ヤマギシアキヒコ]
分子生物学者、理学博士、東京薬科大学名誉教授。1953年、福井県に生まれる。東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了。主な研究分野は極限環境生物、アストロバイオロジー、生命の起源と進化。ISS‐JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)で、宇宙生物学に関する実験研究プロジェクト「たんぽぽ計画」の代表を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小太郎
32
この本読むと作者の山岸明彦さんはかなりSFが好きなんだろうなと思いました。至る所でSF愛が語られます。分子学者の目から見た地球外生命の可能性を生命の誕生から発展そして未来はという考察。そして色々な可能性を挙げて宇宙人って一体?という話はSF好きの心を擽るものになっていました。ただ入門編と言うかSF好きならば既に知っている内容が多かったのはちょっと残念。もう少し突っ込んだ内容を期待してたので。★32023/07/05
はやたろう
12
その名の通り地球外生命の可能性を探る話。宇宙の成り立ち、地球の位置づけ、生命が誕生する条件などを説明。後半は、SF作品のストーリーを科学的に分析していく。2025/01/17
ぽけっとももんが
11
図書館新着本。ものすごくおもしろい。SFだと宇宙人はたこ型や岩石、思いもよらない形態だったりするけれども、実際はどうやら人間とそう変わらないのではないか。進化に関してはよく「コスト」といわれるが、効率よく知的生命体になるために考えられる条件からすると、さほどバラエティはなさそうだ。著者の好きなSF映画や小説などから、その実在の可能性を探る後半が特におもしろい。突っ込み、だめ出ししながら愛が感じられます。「プロジェクト・ヘイル・メアリー」のロッキーも愛を込めただめが出そうだな。2023/03/19
towerofthesun
1
生命誕生の条件から丹念に可能性を検証して、もし地球外生命体がいるとしたら、どのような惑星に、どのような形態でいるのか、真剣に考えた本書。気体生命や液体生命の可能性を論じた章、名作SFの現実味を論じた章が面白かった。2023/03/21
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