内容説明
小説が生まれる瞬間の不思議を、宮本輝は「シュポンターン」という言葉を用いて説明する。「偶発的なもしくは恣意的な」と、「作為的・人為的な」という、一見すると全く正反対の意味を持つドイツ語である。これらは宮本輝が小説を書くにあたって重要視する要素でもあろう。稀代の物語作家宮本輝の小説作法をじっくりと読み解く。
目次
はじめに―小説の書き方について
「泥の河」―中之島・音による「大阪」の再現
「螢川」―富山・芥川賞の意味
「星々の悲しみ」―中之島・文学と絵画
「道頓堀川」―道頓堀・食道楽の街
「錦繍」―蔵王・書簡体小説と偶然性
「青が散る」―茨木・青春小説の枠組
「春の夢」―東大阪・場末とホテル
「ドナウの旅人」―ドナウ川・旅の風景
「葡萄と郷愁」―東京/ブダペスト・官能の世界
「優駿」―北海道・偶然の魅力
おわりに―事実から小説へ
著者等紹介
真銅正宏[シンドウマサヒロ]
1962年、大阪府生まれ。博士(文学)(神戸大学)。神戸大学大学院文化学研究科(博士課程)単位取得退学、徳島大学総合科学部助教授、同志社大学文学部教授等を経て、追手門学院大学国際教養学部教授。同大学宮本輝ミュージアムプログラム・ディレクター。専攻は日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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