内容説明
夫・島尾伸三と娘のまほ、洋館の一室で過ごした3人のにぎやかな日々と、静寂が訪れる夜の部屋でひとり向き合った孤独と。約40年間眠っていた写真の物語がいま紐とかれる。6×6によるBook1、35mmによるBook2の二冊組。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
21
日常の生活、生まれたばかりの女の子と夫がいる空間。これを撮った写真集。写真というのは分からんなあと思いながらページを繰る。この写真集は2冊セット。見たのは上巻。面白いかどうか、楽しんだかどうかと問われたら、ちょっとばかり言葉に詰まる。ついでながら、ひょっとしたらと思って調べてみると、マイハズバンド島尾伸三は、小説家島尾敏雄の息子だった。島尾敏雄のことは梯久美子の「狂うひと」でしか知らないのだけど、この本で描かれた狂気に満ちた生活の中で育った子は、平穏に暮らしていたのだ。そうでしたか、よかったなあと思った。2022/07/08
チョビ
2
一冊は中判、もう一冊は35MMで、長女真帆の誕生を喜びを撮った写真という意味では島尾伸三の「まほちゃん」と同じだ。当時の住処でもありアトリエであった岡田邸(現尾崎テオドラ邸)からの引越しのさなかで見つかった写真とのことで、おそらく山下和美さんの運動の援護射撃効果を狙ったものだろう。まほの可愛さと対照的に夫の目は暗い。その夫の父母は近場に住んできたに関わらず、その影はなく、まほ以上に子供らしい妹のマヤと彼女からの誕生祝いのコントラストが面白い。ガンダムのシャアとセイラの家庭ver.現実版って、きついなあ。2024/05/19
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