目次
日本はきわめて名字の数の多い国
なぜ多くの名字ができたか
地名と名字との関係
二重に家の名を表す例
名を諱んだ昔の慣習
昔の仮名文を読む一種の困難事
南海諸島の命名慣習
権兵衛作や勘太作
ロシアの名を呼ぶ慣習
欧州における同一慣習〔ほか〕
著者等紹介
柳田國男[ヤナギタクニオ]
日本民俗学の創始者。1875(明治8)年7月31日、医師で国学者の松岡操の六男として兵庫県神東郡田原村に生まれる。東京帝国大学で農政学を学び、農商務省入省。在職中、信州飯田藩出身の柳田家の養嗣子となり、また視察や公演で訪れた地方の習俗や伝承を研究し『遠野物語』『名字の話』などを著す。1919(大正8)年退官。翌年から朝日新聞社客員となって全国を調査旅行、『海南小記』などの紀行文を発表する。30(昭和5)年に同社退職し、いよいよ民俗学に専念。日本各地の伝承記録の集大成に力を注ぎ日本民俗学を確立、『民間伝承論』『海上の道』など多くの著作を残す。62(昭和37)年8月8日没、享年87(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わ!
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なぜか突然発刊された柳田國男翁の本である。おそらくは全集などを買えば、その中の一冊の中の一章に含まれているのだろう。…が、なぜわざわざこの話だけを、このタイミングで一冊の本にして発売したのかぎわからない。もちろん、その内容は、タイトル通りの「名字の話」である。日本における「名字」がどのようにして、成立してきたのかを柳田翁の語りで述べられる。それはまるで、遠い御伽話のようでもある。2020/03/21
かわかみ
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青空文庫で読んだのだが、日本人の名字の由来から、武士が興隆して寄進地系荘園が発展していく様、名字が分かれても一族の結束がある程度維持されてきたこと、明治になって戸籍が整備されたときの混乱など、興味深い話が縷縷紹介されている。民俗学には民話や習俗の記録だけではなく、史学を補完する面があることがわかる。2021/02/23