感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイティ
29
日記のようなとても些細な人生録。ボストンでの兄と新聞発行に始まり、ニューヨークやフィラデルフィアなどで印刷工としてのキャリアを積み上げる。今から300年前の生活が詳細に綴られ、都度彼がどういう意図と思考で選択したり、対人関係を捉えていたかは興味深く、心に留めたい気づきもあった。冷静で客観的、とにかく迂闊なことがないよう戒めを矜持のようにしていて、後の「十三の徳」に繋がったのかなと感じた。どんな偉業を成し得たかという点でなく、コツコツと堅実に道を切り拓く、地に足着いた生き方が線となっていたことがよく分かる。2024/11/22
ざっく
5
「徳」について興味があり読んでみた。ベンジャミンフランクリンは、アメリカの独立に貢献した人らしい。宗教家ではなく、政治家であるので、徳を積みすぎて悟りを開くことなく、あくまで現実に即しているところが良い。「人間の幸福というのは、たまたま起こる素晴らしい幸運からでなく、毎日の生活の中での些細な出来事から生まれる」、「他人が自分と考えを異にする場合は、自分と考えを異にするかぎりにおいて過ちを犯しているものと考える」あたりが参考になったかな。目指すべき理想の姿を考えて、自分なりの13徳を考えてみたいとも思った。2021/04/13
YJ
3
面白かった!当時のアメリカ状況が浮かんできますね!人間が持って生まれた感情の中で、自負心ほどおさえられないものはない。2017/12/13
Enzo Suzuki
3
すごく良い。2017/05/14
ザインヘリット
1
フランクリンの名前は、自己啓発本によく出てくるし(『七つの習慣』や本書の背表紙にあるカーネギーのコメント)、ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』でも取り上げられているから、さぞ商売上手なんだろうと思い、(とある事業を成功に導きたいという下心から)読んでみた。正直なところ自分にはつまらなくて読むのをやめようかと思ったが、正岡子規が面白かったと言っていたのを知って、彼のアメリカへの憧れを空想しながら再読すると情景豊かに楽しく読めて、ついにはアメリカに旅行したいと夢見るようにさえなった。2023/02/16
-
- 和書
- カゴと器と古道具