内容説明
心臓病の坊やをめぐる、感動のノンフィクション。
目次
第1章 ぼくどうして涙がでるの(限られた生命;愛の日の日記;生命の待合室 ほか)
第2章 全国の心臓病の子どもたちのために(黄に濁った血;豆の木会誕生;善意の人びと ほか)
第3章 再び忍び寄る魔の手(ママを許して;妹よ安らかに)
著者等紹介
伊藤文学[イトウブンガク]
1932年東京生まれ。代沢小学校、世田谷学園、駒澤大学文学部国文科卒業。学生時代に大学歌人会を結成し活躍。歌集『靴下と女』刊行。1952年、父が設立した(株)第二書房に入社、出版の仕事に従事。1965年の『ぼくどうして涙がでるの』は日活で映画化、ヒットし、本もベストセラーになって心臓病の啓蒙に多大な貢献。同じ頃より同性愛の問題に取り組み、1971年に日本初の同性愛雑誌『薔薇族』創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ビスコ
5
いろんな意味で、ネットで有名な方。興味があったので読んでみた。 いうなれば妹の闘病記。しかしながら、それだけではない、心臓病という病や、それと闘っている人、そして社会への熱い想いを感じられる一冊。日記で、闘っている本人の思いと、文学さんの言葉で、親族としての思いが描かれるので、複数の視点からこの闘いを感じられる。 単に肉親が心臓病になった、治ってくれだけではなく、心臓病、それを取り巻く社会を何とかしたいという想いや優しさがある人なんだな、と思う。(コメントに続く)2014/09/03
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
5
メインのテキストは病気と闘った妹さんの日記だけど、それ以上に作者や同病の方々が妹さんにかたむけた気持ち、言葉の清らかさが滲みました。真の気持ちが籠った言葉ってのは勝手に詩になっちゃうのだな。ところどころあげられている詩がこれまた実にタイミングよく。帯のフレーズは陳腐にすぎると感じましたが、これ以上の言葉が出ないのかもしれませんね。2014/01/18
史
3
その時代に生きた、生きていた、美化されていない真っ直ぐな現実。生命の息吹と言いますか、人間が生きる意味、生きてきた証という感じでしょうか。忘れ去られてしまう人間が多くなってしまうインターネット時代においてこそ、こうした過去をきちんと理解し、覚えておくことが大事なのでしょう。2023/02/14
ナオコ
1
闘病記って押し付けっぽくなってしまうものが多いと思うんだけど、これはまっすぐな感じがした。意外と“起こったことが語られているだけ”の物語なのかもしれない(そしてそれは書くのが難しいとも思う)。登場人物たちに対する、まっすぐな愛着があるからこそできるんだろうなあ。あと、やっぱり昭和っぽさが肝。昭和の家族のかたち。そのエッセンスがあるから、いまの時代にまた読んでもらいたいのだろうし、読む意味があるのだと思う。2013/12/11
sasuke
0
アマゾンに書評を書いた,伊藤文学の姪です。ぜひ皆さん本書をお読みください。2014/01/01の午前に読了し,書評を書きました。2014/01/01