内容説明
時代、国家、社会、家族の枠組みのなかで、「私」はどのように生きたのか。谷崎潤一郎、日野啓三、安岡章太郎、古井由吉、車谷長吉等の文学テクストの修辞技法を読み解く。
目次
1 自己実現への模索 谷崎潤一郎の教養小説―「異端者の悲しみ」
2 情況への態度決定 古木鐵太郎の背徳小説―「吹きぶり」
3 虚無を生きる時代 堀田善衞と日野啓三―「広場の孤独」「向う側」
4 償いとしての習慣 安岡章太郎の家族小説―「海辺の光景」
5 自己救済の想像力 古井由吉の虚実往還―「雪の下の蟹」「長い町の眠り」
6 憎悪と怨恨の果て 車谷長吉の心中小説―「忌中」
7 受苦と救済の表象 夏目漱石「門」論攷―悲劇を生きる夫婦
8 言葉の編み出す力 内田百〓『冥途』論―恐怖と幻想の物語
著者等紹介
伊藤博[イトウヒロシ]
1949年大阪市生まれ。法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻博士課程修了。博士(文学)。専攻、日本近代文学。現在、日本大学、法政大学、聖心女子大学、早稲田大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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