感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
21
いいねえ!インディーロック魂爆発レビュー!まずキーとなる大御所バンドは、ナンバーガール、くるり、スーパーカー、この名前にピンと来ない人は読んでも無駄だと思います。そしてもう二つのキーワードはパンクと、オルタナです。日暮愛葉さんのコメントがしばしば出て来ます。→「90年代初期では、シーガルとメルト・バナナっていうのは『挑戦する意欲のある』タイプのバンドだったんです。どちらも女性ロックンローラーだったし、海外に行って演奏し、作品も発表していた。私たちは探検家。近頃ではミュージシャン達も本当に慎重ですよね。2018/03/15
田氏
10
どこか英国気質漂う物言いを交えつつ、アイドル産業や歌謡ポップスやらまで横断して論じられる日本のミュージックシーン批評。著者イアンは界隈では名を知られた人物で、我々も2回くらいは彼のイベントに呼ばれたことがある。彼ほどディープではないにせよ同じオルタナ界隈に浸かっている身としては、本文中に見知った名前(自身含め)が次々と出てきて面白い…が、そうでない人には読み辛いところもあると思う。それと個人的には、toeフォロワーを量産したポストロックシーンも斬って欲しかった感もある。彼の趣味ではなさそうなのでなおさら。2018/09/07
たいそ
6
2017年。前半の日本のポップ・ミュージック史はおもしろかった。「(日本では)プログレッシヴ・ロックとバンクの間にイデオロギー上の差異が存在しない」とか。後半の「地下音楽」は、それらのバンドや、どんな音かを知っていると楽しく読み進められたと思う。でも「クール・ジャパンの問題」「日本ではクラシック音楽の旋律作曲法~日本のポップスは調性(トーナル)」といったところは、おもしろかった。(あと「ヴ」が気になった。)「多くの人間にとって、ジャパニーズ・ミュージックの魅力というのはまさにそこにある日本らしさにある。」2018/02/03
河村祐介
4
在日イギリス人ジャーナリストが書く、日本のマクロなポップミュージック史とそこから生まれたかなりミクロな現インディーシーンの分析。現シーンの個別の分析としてはかなりアンダーグラウンド感強いものの、ライブハウス、音楽産業、レーベル、ツアー、生活とアクチュアルな分析はシーン全体に通じるものではないでしょうか。ハッとさせられる視点も。 おもしろかった。 2017/12/22
Mark.jr
3
イギリス人の著者が、日本のポップ・ロックシーンについて綴った本です。語られるのは、はっぴいえんどからnumber girlまでの日本のロックの歴史や、現在の音楽産業やライブシーンの問題点など様々で、内容も非常に批評的です。時にはとても辛辣に書いてますが、序文に著者が"愛についてのストーリー"と語るように、愛がないと書けない本なのは間違いないです。2019/09/21