内容説明
東京大学韓国学研究センターによる講義をもとに、韓国・朝鮮から日本へもたされた文化財を切り口に近現代史の関係を問い直す。「略奪文化財」とも称され、“負の遺産”とされてきた朝鮮半島由来の文化財は、ときに紛争の種として疎まれてきた。その経緯を示しつつ、“負の遺産”こそが国家間対立を克服する契機を生みだし、市民レベルでの交流によって「架け橋」になりうることを提示する。
目次
第1章 文化財制度の意義と生み出される問題(外村大)
第2章 国外所在文化財と過去清算としての文化財返還(長澤裕子)
第3章 植民地に生きた人びとと文化財(外村大)
第4章 日本の植民統治と朝鮮半島の文化財(長澤裕子)
第5章 近代化遺産と植民地の歴史(外村大)
第6章 在日コリアンの歴史文化の継承(外村大)
第7章 文化財・文化遺産を架け橋に(長澤裕子)
もう一歩、先へ―学びを深めるための本と博物館リスト
著者等紹介
外村大[トノムラマサル]
1966年生まれ。専門は日本近現代史。早稲田大学大学院中退、博士(文学、早稲田大学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授
長澤裕子[ナガサワユウコ]
専門は国際政治・日米韓外交史。高麗大学大学院政治外交学科終了、博士(政治学、2007年)。東京大学大学院総合文化研究科特任准教授を経て、早稲田大学国際和解学研究所・招聘研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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