内容説明
「私はトミ子じゃない。私の名前は李玉善だ!」植民地下、名前と尊厳を奪われた日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリーを圧倒的な画力で描く。より深く理解するための解説(原正人、梁澄子、吉見義明)を日本語版限定で収録。
目次
故郷に帰る道
学校に行きたい女の子
柿と飴玉
養女となって
釜山のうどん屋
蔚山の料亭
延吉の東飛行場
純潔
あの人
延吉市内へ
ミジャ姉さん
ある日本兵
解放、そして捨てられた女たち
最初の結婚
我が息子
韓国へ
李玉善さんの即席を探して
著者等紹介
キムジェンドリ・グムスク[キムジェンドリグムスク]
1971年、韓国・高興生まれ。グラフィック・ノベル作家。韓国(世宗大学絵画科)とフランス(ストラスブール国立装飾美術学校)で絵画を学び、取材をもとにした作品を多数発表
都築寿美枝[ツズキスミエ]
「関釜裁判を支える福山連絡会」代表。2018年韓国・聖公会大学NGO大学院卒業
李〓京[リリョンギョン]
韓国・大邱出身。立教大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
40
日本軍慰安婦にされたイ・オクソンさんの過酷な人生を描いた伝記。米、英、仏、伊など各国で絶賛されているグラフィックノベルである。韓国の作家による本書の日本語版を出版しようと、出版委員会がクラウド・ファンディングを呼びかけた。私も少額ながら参加し、ついに2020年2月、出版の運びとなった。480ページ余りの大著だが、全ページモノクロの迫力に引き込まれる。先日読んだ絵本『花ばぁば』と同じく、13~14歳の少女が戦争のために人生を狂わせられたことに胸痛む。2020/02/22
タカラ~ム
16
従軍慰安婦の問題は、政治的な対立や反日、嫌韓といった視点で見られてしまうことが多い。本書は、慰安婦だったひとりの女性イ・オクソンさんの半生を描くことで、人間としての尊厳を蔑ろにする『慰安婦』という過酷な状況を明らかにし、その当時女性の権利がいかに虐げられていたか、いかに軽く扱われていたかを明らかにしている。著者自身も本書刊行で来日した際の講演で、慰安婦の問題が現在のMeTooと同じだと語っている。そういう視点で改めて慰安婦問題を考えるきっかけとなる作品だと思う。2020/08/05
tellme0112
16
クラウドファウンディングの頃から気になっていた本。諸事情から応援はできなかったが、半年かけて図書カードを貯め購入。現在と過去を行ったり来たりするところがうまい構成だなと思った。ひとりの人間として見ることができるから。。。心に残る絵がいくつも。2020/04/04
糸文
7
★☆★☆★ 改めて戦時中に生きる女の辛さを知らされる、、、日本人に、味方のはずの自国人に、ロシア人に、、、最悪なのは自分の家族に受け入れられないこと。こういう本でも日本語版あり自体が意外、、、(とてもいいことだと思います)2023/09/29
tellme0112
7
メモリアルデーに。作家とハルモニとのやりとりがすきだ。2021/08/14