内容説明
戦時期、農村部に居住する多民族の非識字層に向けて、視聴覚メディアによる宣撫宣伝活動が実施されていた。従来の活字メディアによる宣撫宣伝研究の枠組みを超えた実証的研究。
目次
第1章 宣撫とは何か(欧米宣伝理論の導入;満洲における宣撫理論;宣撫におけるメディア)
第2章 制度化される宣撫(満鉄における宣撫のあり方;関東軍の宣撫活動;現地化される宣撫活動の人員;モノとして整備される宣撫の技術)
第3章 宣撫宣伝活動の方法(講演と映画上映;施療施薬と映画上映;人を引きつけるための工作方法)
第4章 各地域における宣撫宣伝活動の実践例(商業主義と接合する宣撫―南満における漢族の娘々廟会;多民族多文化地域への拡散―北満における蒙古族のラマ教廟会)
著者等紹介
王楽[オウラク]
東北大学大学院情報科学研究科特任助教。1988年中国山東省生まれ。2011年来日。2015年、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。日本学術振興会特別研究員(DC2)、早稲田大学現代政治経済研究所特別研究所員、東京大学大学院情報学環特任研究員、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部非常勤講師、目白大学メディア学部客員研究員などを経て、2021年に東京大学大学院博士課程修了。博士(学際情報学)を取得。専門はメディア史、歴史社会学。本書の基になった博士論文「満洲国農村部における宣撫宣伝活動のメディア史」で第21回アジア太平洋研究賞佳作賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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