内容説明
隠国熊野は表現者の聖地、シャングリラである。本書によってまた一歩、“魂の地”熊野が近くなった。
目次
1 総論―熊野をめぐる文学
2 列伝―それぞれの熊野(前登志夫 ぬかづくわれや―吉野と熊野;伊良子清白 更くる夜濁り―残された痕跡 ほか)
3 熊野三題(はまゆう考;たちばな考 ほか)
4 作家論(故郷喪失者論―静雄、朔太郎、蕪村、ヘルダーリンについて;立原道造論 さすらい―抒情と薄明の美 ほか)
著者等紹介
谷口智行[タニグチトモユキ]
昭和33年京都生まれ、和歌山県新宮市育ち。平成5年熊野大学俳句部入学。7年「運河」入会。11年運河賞受賞、運河同人。12年俳人協会入会、第8回深吉野賞選者特別賞。16年第7回朝日俳句新人賞準賞、第一句集『藁嬶』上梓、三重県文化賞文化奨励賞。現在、「運河」編集長、「里」同人、俳人協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shiki Magata-ma
6
この本を読んだ俺も、自転車を使って、所謂熊野地方に何度か足を運んだことがある。紀伊半島東南部、中部、南部を覆うこの地域は、かつて修験者の通る道があり、今とて都心部の文明の手が及んでいない節が見受けられるところだ。そこへ行くたびに厳然として存在するそのスケールの大きさや名古屋などとの地域風土との違いに大きな衝撃を受けた。この本の筆者を含む先人たちがその地理に文学心を起こされたことは想像に難くない。 この本ではとにかく「熊野」にさえあやかっていれば何でもありであるようで、序盤中盤の記述に特に強いテーマの指向性2016/11/18
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