内容説明
恋愛、結婚、出産、といった人生のイベントを迎えるたび、続けるか辞めるかの選択を迫られるのは、たいてい女子の側。労働環境はここ数十年で大きく変化し、どうするのがベストなのか判断がつかない…「女子×労働」の視点で読む女子マンガに人生をサバイブするヒントがある!誰もが知っている王道作品から、知る人ぞ知る隠れ名作まで、気鋭の研究者の女子マンガ論、決定版。
目次
1章 少女マンガ隆盛期―ヒロインは読者と同世代の若き労働者(自分の運命を切り拓く『ベルばら』の女たち『ベルサイユのばら』;大正時代のラブコメが描く「この国で女が働くとはどういうことか」『はいからさんが通る』;「自立した女」のモデルのひとつは、バレエマンガにある『アラベスク』 ほか)
2章 「仕事と恋」の時代―社会情勢を反映し働く読者の現実に接近(「近代化」を目指そうとした「働く女」の困難『東京ラブストーリー』;みんなの視界に入りにくい仕事を描く意義『動物のお医者さん』;フリーターもバリキャリも大変就職氷河期がもたらしたリアル『ハッピー・マニア』『働きマン』 ほか)
3章 労働の多様化・細分化―年齢、仕事観、社会問題等に着目(憧れからはほど遠い設定が生み出す深い味わい『うどんの女』;主婦の労働と存在意義をめぐる重い問い『ハウアーユー?』;リアルとファンタジーを行き来する大人の仕事と恋愛の物語『娚の一生』 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
𝐂𝐄𝐋𝐄𝐒𝐓𝐈𝐍𝐄
2
最後に紹介されていた『愛すべき娘たち』という漫画の、牧村のキャラ設定に度肝を抜かれた。すごすぎる。自立した女性への、過剰なまでの希求が、実は父親による性的虐待に起因しているということ。しかし、自ら掲げた救いの言葉、宣言ゆえに、そこから少しでも外れるたびに言い訳をしなくてはならなくなるという呪い。すごい。こんな漫画を書いた作者もすごいし、そのすごさを10頁に満たない紙面で伝えるトミヤマ先生もすごい。2024/06/19
よっちん
0
図書館2024/09/25
Tsu_ba_saa
0
時代を問わず、人生について考えさせられるような少女マンガを「女子マンガ」とし、その中で労働がどう描かれているかという論考がまとめられた本。大人の話なので当たり前のようにみんな働いているが、どう働いているか、仕事というものがどう描かれているかという切り口は面白い。『はいからさんが通る』や『ベルばら』、『動物のお医者さん』など、往年の作品の論評も面白い。気になってた作品をうっかり大人買いして読んでしまった(『海街diary』)。2024/01/05
-
- 和書
- こどもとごはん12か月