内容説明
“敵の大将首は2億4000万円ほどの価値があった”“意外と安い!信長への年貢は3割負担で許された”“小田原城を落とすのにかかった費用は200億円超!”「経済」で紐解く戦国時代。
目次
1章 平民経済の作法(農民と税;商人;寺社勢力)
2章 領国経営の作法(大名と経済;経済政策;三英傑の経営)
3章 経済戦争の作法(軍事物資;経済戦争)
4章 貿易と流通の作法(東アジアとの貿易;南蛮貿易;流通)
著者等紹介
小和田哲男[オワダテツオ]
1944年、静岡市に生まれる。1972年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。2009年3月、静岡大学を定年退職。静岡大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いーたん
23
戦国時代を経済的側面から豊富なイラストでコンパクトに解説。少し前に読んだ『お金の日本史』にも書かれてあることも多く、復習した感じ。あらためて、秀吉がなぜ唐入りを目論んだのか、ナゾだと思った。また、石見や佐東銀山を手に入れながらそそくさと朝廷に上程したり、交通の要衝である瀬戸内の権益をグリップしなかった毛利元就ってどうなのかしら?とも。もちろん、関所を廃止し既得権益である寺社と闘った信長の真意など、経済の視点で戦国大名のマネジメントをみるのは面白かった。ミエやプライドだけでは戦はできないものですね。2021/01/23
鯖
19
茄子10本で1文80円。乱取で拉致られた奴隷1人10文800円。お安い具足一式37万円等等。闇金延暦寺の年利は70パー。貴族のボンボンが多かったので、山上には誰もおらず、ノッブの焼き討ちでも彼等のいた麓の村が焼かれただけとの説もある。しかし室町幕府って財源に米がなく、勘合貿易のあがりとか運輸税とか店舗税とかなのが痛いというか、やっぱり畿内のみの勢力なんだなあと改めて。ノッブの天下布武が畿内のみをさすという説も室町幕府みてるとわかるような気がする。麒麟を呼ぶには食料自給率をあげねばねば。面白かった。2020/11/22
スプリント
11
戦国と経済。切り口も面白くライトに読める内容。2021/06/29
じじちょん
5
知多半島って陶器をめぐるビジネス戦争の地だったんだね~。常滑って歴史あるんだなぁ。信長って道路整備事業の木を作ったって知らなかった。他にも税金や貿易の話、寺社勢力の強さなど改めて知ることばかりで勉強になった。2024/03/01
櫛橋光
2
作法シリーズ、今回は戦国の経済事情ですわ。見開き1ページで1つの項目なので読んで行き易いです。お金に関する色々な事ですが、宗教勢力のえげつなさは改めて思いしりました。比叡山延暦寺と信長との争いは、信長が中世からの既得権益を打破しようとすれば避けられなかった・江戸時代の南蛮貿易の相手が新教国のオランダな訳等、信仰とお金は何だかなあという感じでした。2020/11/10