感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わいほす(noririn_papa)
7
メイキングオブ古事記と言ったらよいのだろうか。若き日に天武天皇と語り合った稗田阿礼の思いが、30年の時を経て若き才ある太安万侶と出会い、一大叙事詩に作り上げられる過程が、二人の丁々発止の会話とともに描かれている。その制作の意図ゆえに神と天皇をつなぐ神武天皇の章から始まり、そこに繋がるように神の時代の物語が後で語られるのも面白い。そして50代後半になってもなお天然で明るくて、若い太安万侶の意図的に話を変えたり作ったりしたあたりも、まあいいんじゃないのと笑い流す稗田阿礼の魅力的なことか。 2017/09/03
-
- 洋書
- ELIANNE