出版社内容情報
第2次安倍政権が成長戦略として掲げた「女性の活躍」政策は、従来の「結婚を通じた家族安全ネット」をエサにした無償のケア労働を女性に提供させる政策に、「両立」という名の二重負担強化と、低待遇によるアジア女性の労働力の取り込みの2つを加えた「家族安全ネットのバージョンアップ」とみるべきだろ。しかし、足元では男性も含めた雇用崩壊が進み、このような「家族安全ネット」は猛スピードで決壊しつつある。そんななかで必要とされているのは、家族を前提にしなくても個人が安心して生きられる社会的安全ネットの整備だ。特集では、こうした現実と逆行する安倍政権下での政策が、どのように大量の女性の貧困を生み出してきたかを暴き、そのメカニズムを明らかにすることを通じて、「一億総活躍」や自民党改憲草案(2012年発表)路線にもとづく参院選後の「新・家族安全ネット政策」強化への対抗策を展望する。
【執筆者】
竹信三恵子×堅田香緒里(対談)、大矢さよ子、飯島裕子、吉田千亜、伊田広行、山岸素子(インタビュー)、堀江有里
アジア女性資料センター発行[アジアジョセイシリョウシリョウセンター]