1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渡邊利道
2
アルチュセールの夢の記述を中心にした一種の伝記的書物。訳者の解説は非常に精緻かつ立体的にアルチュセールの人生とオブセッションを、その哲学に有機的に結びつけ、さらに時代思潮にも目を届かせた労作だが、実際のアルチュセールの文章やらその背景となる人間関係やらを読むとほとんど色キチガイの迷惑インテリ男としか思えぬ。確かにエレーヌも相当なものだが……。読んでいて不快感が半端なかった。2018/08/18
ひろゆき
2
イタリア既婚美女フランカに対する猛烈な書簡の集積「愛と文体」にも驚いたが、おのれが見た夢まで記録集積していたとは。自分が見た夢でさえ根本的に興味がないから記録したことない私だから、ひとの夢にどうして興味が持てよう。とんでもない性的な夢をみるなど、ああ誰もがそうなのねと改めてと救われることも多いのだが。妻を殺したことのそれなりの解明もある。市田良彦による解説が助かる。アルチュセールの自伝「未来は長く続く」も妄想入り交じった変な本なのだが、無意識や夢に分類されるものがリアルなものだったと読み返すべきだろうか。2018/07/29