内容説明
今なお世界を揺り動かしているトランプ・ショック。2000年以降の大統領選挙におけるキーワードは、「分裂」だ。階層、人種、性別…さまざまな亀裂の表面化から見えてくるアメリカの「現在」と「未来」の姿。
目次
序章 アメリカの政治制度
第1章 “合州国”を分解する
第2章 揺らぐ?共和党の牙城―南部政治の展開
第3章 存在感を増すマイノリティ集団―ヒスパニックの動向
第4章 苦しみながらもオバマ再選―2012年選挙
第5章 アメリカ分裂を印象づけた2016年選挙
著者等紹介
井田正道[イダマサミチ]
1960年東京都生まれ。明治大学政治経済学部教授。専門は政治学(政治意識および選挙研究)。2012年3月より2014年3月まで、米国・デューク大学アジア太平洋研究所客員研究員。その他、日本政治総合研究所理事なども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mstr_kk
2
アメリカ大統領選挙に関して、さまざまなデータをくわしく分析した、ありがたい本です。2020/03/01
田中峰和
2
2000年以降の大統領選挙における分裂が、階層、人種、性別、様々な亀裂の現象を数字やグラフで読み解かれる。米国分裂に最も影響を与えるのは、移民の比率であろう。中南米からの移民は増大し、黒人の数を超えた。州別で選挙の勝敗が決まるので、州単位の選挙人数の増減は重要だ。イリノイ、ニューヨークなどは減少し、テキサス、フロリダが増え続けるのは移民の影響も大きい。現実は黒人に比べヒスパニックの投票率が極めて低いのも面白い現象。16年の選挙はトランプ、サンダース、2人のアウトサイダーが注目された。これも分裂現象の一つ。2017/03/24
K
1
近年の大統領選挙の各候補の得票を、州や地方の他、年齢、性別、人種、収入、学歴といったいろんなファクターから分析し、アメリカ国民の間で属性別の分裂が進んでいる様をデータで示す。各州の選挙人数は人口に比例し、今後民主党への投票傾向が見られる移民の影響で南部の人口が増えていき、テキサスがスイングステートにでもなるようなことがあれば、共和党にとって悪夢のシナリオ、と何回か繰り返されていて否応無しに印象に残った。2018/06/04