内容説明
多くの神話伝説が示すように、虹は昔から人々を魅了してきた。哲学の歴史の中でも、虹はアリストテレス、デカルト、ニュートン、ライプニッツといった人たちによって論じられてきた。虹が科学的に解明された今日でもまだ謎は残っている。虹とは、いったい何なのか。それは、月のような「もの」なのか、それとも風のような「こと」なのか。虹が現れる空についても同じ問いを問うことができる。知覚の哲学、日常的事物の存在論、言語哲学、科学哲学といった、さまざまな哲学分野からの知見を動員して、虹と空がどのような存在者であるかという問いに答える。
目次
1 虹と哲学
2 出来事としての虹
3 虹の存在論的錯覚
4 知覚から客観的実在へ
5 空の存在論
著者等紹介
飯田隆[イイダタカシ]
1948年、札幌市生まれ。78年、東京大学大学院人文科学研究科(哲学専攻)退学。91年、千葉大学文学部教授、98年、慶應義塾大学文学部教授、2010年、日本大学文理学部教授を歴任。この間、科学基礎論学会理事長、日本哲学会会長を務めた。現在、慶應義塾大学名誉教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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