出版社内容情報
『甲陽軍鑑』が語る戦闘の美学とは、武士のあるべき姿とはどんなものだったのか。そして、「歴史の真実」とは何か。 桶狭間の戦い、長篠合戦……闇に葬られた「敗者の魂の叫び」が、戦国合戦の異なった絵柄を浮かび上がらせる。
信玄の側近によって、滅亡の渦中に記録された『甲陽軍鑑』。日本の兵法思想の礎を築いたこの書は、明治期以来、戦後に至るまで偽書の汚名を着せられてきた。
『甲陽軍鑑』が語る戦闘の美学とは、武士のあるべき姿とはどんなものだったのか。そして、「歴史の真実」とは何か。
目 次
第一部 『甲陽軍鑑』の兵学思想
──上方兵学との対比──
第一章 中国兵学と日本兵学
第二章 武田信玄の美学
第三章 織田信長への非難
第四章 悪しき上方の風土
第五章 豊臣秀吉の反論
第六章 徳川家康は希望の星
第七章 甲州流兵学からプロシア兵学へ
第二部 『甲陽軍鑑』偽書説をめぐる研究史
──偽書説はなぜ生まれたか──
第一章 偽書の烙印──『甲陽軍鑑』悲劇の開始
第二章 偽書説をめぐる戦前の研究──逸足のジレンマ
第三章 『甲陽軍鑑』の戦後──偽書説の守護者たち
第四章 不都合な史料──菅助に戸惑う研究者たち
第五章 名誉回復の兆し──もう一つの桶狭間
浅野裕一[アサノユウイチ]
1946年, 仙台市生まれ. 東北大学名誉教授. 中国哲学専攻. 『黄老道の成立と展開』(創文社, 1992), 『孔子神話』(岩波書店, 97), 『孫子』(講談社学術文庫, 98), 『儒教 ルサンチマンの宗教』(平凡社新書, 99), 『古代中国の言語哲学』(岩波書店, 2003), 『戦国楚簡研究』(台湾・萬巻樓, 2004), 『諸子百家』(講談社学術文庫, 2004), 『古代中国の文明観──儒家・墨家・道家の論争』(岩波新書, 2005), 『図解雑学 諸子百家』(ナツメ社, 2007), 『古代中国の宇宙論』(岩波書店, 2008), 『上博楚簡與先秦思想』(台湾・萬巻樓, 2008)ほか.
浅野史拡[アサノフミヒロ]
1980年, 島根県出雲市生まれ. 2009年, 東北学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了(日本中世史専攻).
内容説明
「風林火山」の真実。信玄の側近によって、滅びを目前にして書き残された魂の叫び、ここに刻まれた、武士のあるべき姿、戦闘の美学とは何か。日本兵学思想の礎を築いた書物の数奇な運命を追って。
目次
第1部 『甲陽軍鑑』の兵学思想―上方兵学との対比(中国兵学と日本兵学;武田信玄の美学;織田信長への非難;悪しき上方の風土;豊臣秀吉の反論;徳川家康は希望の星;甲州流兵学からプロシア兵学へ)
第2部 『甲陽軍鑑』偽書説をめぐる研究史―偽書説はなぜ生まれたか(偽書の烙印―『甲陽軍鑑』悲劇の開始;偽書説をめぐる戦前の研究―逸足のジレンマ;『甲陽軍鑑』の戦後―偽書説の守護者たち;不都合な史料―菅助に戸惑う研究者たち;名誉回復の兆し―もう一つの桶狭間)
著者等紹介
浅野裕一[アサノユウイチ]
1946年、仙台市生まれ。東北大学名誉教授。中国哲学専攻
浅野史拡[アサノフミヒロ]
1980年、島根県出雲市生まれ。2009年、東北学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了(日本中世史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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