内容説明
西欧17世紀、認識をめぐる「神々の闘い」。アントワーヌ・アルノー、ジョン・ロックと、マルブランシュとの認識をめぐる対決を精細に再現。科学革命に向かう西欧近代が何を乗り越え、かつ何を切り捨てなければならなかったのかが具体的に見えてくる。知られざる知の巨人の肖像。哲学史の欠落を埋める、本邦初の本格的な思想論。
目次
第1部 枚挙の完全性の意味(枚挙の重視;枚挙の意味;枚挙の完全性は証明されるべきものか;枚挙は完全であるべきか)
第2部 「枚挙の完全性」へのマルブランシュの姿勢―「神の内に見ること」の証明にかかわる(「神の内に見ること」の証明にかかわる「枚挙の完全性」へのマルブランシュの確信;「神の内に見ること」の証明にかかわる「枚挙の完全性」を疑わせるマルブランシュの言説)
第3部 「神の内に見ること」の証明にかかわる「枚挙の完全性」の検証(第一の仕方の概要と検討;第二の仕方の概要と検討;第三の仕方の概要と検討;第四の仕方の概要と検討;第五の仕方の積極的証明すなわち六つの理由;われわれの精神は明晰判明に認識されない)
第4部 「神の内に見ること」の証明にかかわる枚挙の完全性の根拠(五つの仕方は、何の区分であるか;枚挙の数三の根拠としての三大実体(神・精神・物体)
枚挙の順序の根拠)
第5部 「神の内に見ること」の証明にかかわる枚挙の完全性の根拠(神・精神・物体)を確信させるもの(マルブランシュの摂理の思想;マルブランシュの光の形而上学)
著者等紹介
依田義右[ヨダヨシスケ]
1941年に京都市に生まれる。1975年に京都大学大学院文学研究科西洋近世哲学史博士課程単位取得認定退学ののち、79年に、大阪芸術大学専任講師となり、助教授を経て、90年に教授。2012年、同大学定年退職。大阪芸術大学名誉教授、京都大学博士(文学)。専門は、17世紀フランス哲学とりわけマルブランシュ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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