出版社内容情報
「分断」がすすむ今の世界で、したたかにボーダレスに生き抜く術がここにある!情熱的な音楽、舞踏、占い、魔術……神秘的なイメージで捉えられてきたロマ。若き言語学者が、ロマの世界に飛び込んだ!見えないルールや境界線に息苦しさを感じている、すべての人に贈る一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
80
作者はロマニ語の研究者で本書は「研究の副産物」。ロマニ語の方言収集にベラルーシへ行き、「ロマの武術」を求めてハンガリーへ行くという研究生活が綴られます。そこから垣間見えるのは欧州に残る差別や非ロマとロマを区別するロマの誇り、「家族」を示す古い単語がないというロマの世界観や若者がロマニ語を話さなくなりつつあるという時代の変遷。ただ本書が教えてくれた一番大切なことは、善いロマも悪いロマも貧乏なロマも裕福なロマもいる、つまり他の民族と同様ロマも多様な人間で構成されているのだという単純な真理だったように思います。2023/12/22
サアベドラ
40
「私のロマニ語の最初の師匠は、チビでハゲのロマである。ハンガリー生まれだが、現在は妻と息子と三人でドイツに住み、ゴミ拾いをしたり物乞いをして生活しているおっさんである。(p.7)」著者はロマ語の方言研究を専門とする言語学者。独自の文化と風習を持ち、ヨーロッパでユダヤ人と並んで差別や迫害に苦しみながらもたくましく暮らしてきたロマ(ジプシー)の人々との、ときに過酷でときにすっとぼけた交流の日々を描いたエッセイ。2023年刊。冒険作家の高野秀行やブルシャスキー語の吉岡乾が好きな人は問答無用で読むべし。オススメ。2023/10/17
ようはん
22
ジプシーとも呼ばれるインドをルーツに東欧各地に住む流浪の民ロマを取材した内容。著者がロマ語を学ぶまでの課程や、ルーマニアやベラルーシ等のロマを取材して出会った人々とのエピソードはとにかくあらゆる意味で濃い。ラストの後書きは著者が大学の講義でハンガリー在住のロマ語の恩師がスクリーンを通して対話と口頭試験を行うエピソードであるが…かなりヤバい展開になったのには笑った。2025/07/05
tom
20
著者はロマ語研究者。高校のときから言語が大好き。最初のターゲットがエスペラント語。これがラテン語につながり、高校卒業後はルーマニアに語学留学。ここで出会ったのがロマ語。ロマ語はジプシーが使っている言葉。広大な地域に広がったジプシーは、地域それぞれで方言を作る。この言葉の研究、何を研究しているのか私にはいまいち不明。でも、著者は、ロマ人に会うために、ルーマニアから隣国ハンガリー、ベラルーシ、ドイツと走り回る。ロマ人の集落に入り込み、語り、録音し、酒を飲み、踊り・・。机上の東欧旅行を楽しむ。良書でした。2024/11/25
月をみるもの
12
ここのところ「ホモサピの歴史の最大の転換点は農耕開始ではなく、それに先立つ定住だったのではないか?」と考えている。その潮流に抗い、いまもまだ残る比較的大規模な移動民族集団の代表格は、モンゴルやアラビア砂漠の遊牧民、そして本書の主題であるロマ(いわゆるジプシー)であろう。第二次対戦中、ナチスの民族抹殺プロジェクトのターゲットとなり、ユダヤ人と違って戦後も自分たちの国家を持たなかった彼らは、現在の世界でどう生きているのか? → 続く2025/11/16
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