出版社内容情報
夜明けを目にすることができるのは、
夜明けまで生き延びた者だけである
「お金とは何か」「執着と矜持を分けるものは何か」「人間にとって働くとはどういうことか」等リアリティのあるテーマを掘り下げていく、14歳から読める自由と勇気の人生案内本。
目次
第1章 社会の中で生きるということ
責任を取ることなど誰にもできない/正義が成り立つ条件/ルールとの折り合いをつける/フェアネス(公平・公正)とは何か/日本を変えていくには
第2章 働くということ
労働とは不自然なものである/組織の最適サイズ/会社とは「戦闘集団」である/「やりたいことをやる」だけでは人生の主人公になれない/執着と矜恃を分かつもの/運と努力の間で
第3章 与えるということ
格差論のアポリア/贈与のサイクルはどこから始まるか/贈与の訓練としてのサンタクロース/わらしべ長者が教えてくれるお金の話/大人になるとは
第4章 伝えるということ
最近の人がすぐにバレる嘘をつくのはなぜか/死について考える/「青年」がいた時代
教育とは「おせっかい」と「忍耐力」である/メンターからの「卒業」/子育ては誰にでもできる
第5章 この国で生きるということ
「愛国者」とは誰のことか/トラブルは「問題」ではなく「答え」である/常識の手柄/今、日本人が読むべき本七選
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かるかん
52
責任を取るなんていうことは誰にもできない。責任を取れ、ということは一生許さないと同義である。特筆したい箇所は「執着と矜持」の講である。自分を省察してみると、どうやらプライドで判断しているわけではなく、執着が大半を占めている。意識して直していこう。ホントに執着ほど厄介なものはない。2016/01/29
かまど
52
『教養を深めたい方への良著』フランス現代思想を専門としている著者が、「社会の中で生きるということ」「働くということ」「与えるということ」などをテーマとした人生相談に対し、その深い知識と思慮、そして経験から答えを導き出し、わかりやすく丁寧に解説されている一冊です。 サブタイトルに「14歳から読みたい自由と勇気の人生案内」とあるように、とても読みやすい哲学書にあたると思います。 (続く)2015/11/04
ジョンノレン
49
正直掴みどころが無いというか、提示される問いが立場によって如何様にも展開しうることについて、語ろうとしているためかな。かと言えば、集団の最小単位は"ひとり"までは良いが、その構成がその内部に存在する多様な人格としているが、生物学的な集合性の方が遥かに重要との見方もあるはずで、余りに独りよがりで一面的なものの捉え方に、ちょっと残念感が先に立った。この著者の他の場所で開示される政治的な見解についてはさほど違和感は感じていなかったが。推薦図書の福沢諭吉の「瘦我慢の説」の愛国心の箇所は秀逸、正に痩せ我慢。2024/05/18
marco
43
常に死を意識することで自分の営為すべてに全力で取り組むべし、とする「死について考える」の章は生きている限り何度でも読み返したい。内田先生の著作からはいつも生きる元気と勇気をチャージしてもらっている。生きるヒントのかなり多くを先生からいただいている気がする。いつか恩返ししたい。2015/10/22
テクパパザンビア
42
面白かった。ない頭を使い考えながら読むのはアホなオッさんには少々大変でしたが金言・格言がゴロゴロ、メモを取りながら読了。困難な読書でした、若い時に読みたかった…。2016/09/23