内容説明
中国では春秋の時代より、長生不老を求めようとする、仙道と称されている道術があった。仙道は、自分の生殖能力を生命力に変えて修行する清浄派と、異性の精力を利用して修行する栽接派に分けられる。栽接派はまた、男が女の精力を奪う利己主義本位の「採陰補陽」と男女が互いに助け合う「陰陽双修」に分かれていた。物語は、採陰補陽が専門の悪質な好色仙人が、交接している蛇の淫毒にあたった美しい少女仙人を救ったことからはじまる。その縁より修行を共にし、ついに「陰陽双修」の奥義を会得したが、飛昇することをやめこの世界で暮らすことを決めたのであった―。
著者等紹介
張明彦[チョウメイゲン]
1931年、台湾の民雄に生まれる。1955年法商学院(現在の台北大学)卒業後、第一銀行に就職。1965年文学志望のために中学校教員に転職。1970年台和股〓(ふん)有限公司重役就任。1985年ペット繁殖業を経営。1996年『試探紅楼夢』をはじめとする中国文の詩集、小説、紅楼夢研究書、文学評論等を9冊出版。2006年以降、日本語による作家活動、主に『文芸思潮』誌において、執筆活動に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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