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内容説明
ザ・フォーク・クルセダーズ、サディスティック・ミカ・バンド、さらにソロ・アーティストとして音楽史に残る作品を残した加藤和彦は、穏やかで優しい人だった。が、同時に誰よりも果敢に音楽に取り組んだ人でもあった。20年の時を経て封印を解かれた肉声が、自らの表現を貫こうとする矜持=エゴを強烈に放つ。
目次
序 一九九三年のインタビュー
1 子供時代
2 ザ・フォーク・クルセダーズ
3 ソロ活動
4 サディスティック・ミカ・バンド
5 再びソロ活動へ
6 加藤和彦の音楽観
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
20
20年前のインタビューにエディットをかけたもの。誕生から、ズズ(安井かずみ)逝去直前までのコアネタ満載ではあるものの、余程トノヴァンに思い入れがなければきつい内容ではなかろうかと推察。中学生の頃より、トノヴァンを神と崇めていた自分的には大変興味深く面白い内容ではありました。ミカバンドや高橋幸宏氏に興味のある若い方にお勧め!2013/07/20
nizimasu
7
やっぱり日本の音楽の中で、YMOとミカバンドって独自のポジションを築いていると思うんだけど、加藤和彦のたたずまいというのはすごくかっこいい。アーティストは贅沢すべきという持論はすごく本人の美学を端的に表していると思うし、安井かずみさんとの生活ぶりも含めてスタイリッシュだし、そういう生活を満喫していたと思う。ただ、伊丹十三さんもそうだけど、かっこいい人の終わり方が同じだというのもちょっと悲しい2013/09/08
いのふみ
1
意外だったのは、フォークルが京都結成だったから京都の人だと思っていたけれど、東京で生まれ、ほとんど東京で育っているということ。狭い見方だが、キャリアのすべてで感じられる、金銭的、それ以上に精神的な「金持ち」さ、余裕、エレガンスはここからくるのかとも思った。また、幸宏はともかくとして、YMO関連、特に教授や細野さんあたりと接点があること。あと穏やかな人だと思っていたが、レコード会社とかと結構喧嘩する人だった。2021/09/14
北村和孝
1
『ボレロ・カリフォルニア』で結果的にソロ活動を一段落させたタイミングであり、安井かずみとの永遠の別れが近づいていた時期でのロングインタビューを収録。シャイな人だったからちょっと煙にまくような話し方をしちゃうところはあるけれど、少年時代のことからフォークル、ミカバンド、ソロアルバムのエピソードは勿論、ギンガムのことや日本の音楽文化の変遷をたっぷり語っていて資料価値が高い。僕はこれのギターヒストリー版の本を作るのが夢だったんですが…。興味深いのは加藤さんって結構大滝詠一さんのことを意識していたんだなってこと。
Juichi Oda
1
4年前(もう!)に自ら命を断った希代のアーティスト・加藤和彦に20年前に行なったインタビューが今ここに衆目の知れるところになった貴重な一冊。 ポップ、ロック、いやそうしたジャンルにこだわることなく日本というエリアでいかに音楽を文化の一端として創りあげようとしてきたか、ということがわかります。単に“音”や“歌”、“サウンド”だけでなく、ファッションも生き方もその本人のすべてを含めてこそ、音楽で表現できるんだ、という彼のパッション、モチベーションが浮かんできます。彼のセルフカバー、聴きたかったなぁ。2013/08/20