内容説明
私は、どうして日本の極右思想に惹かれるのか。三島由紀夫からの宿題を本書で果たせたと思う。
目次
権藤成卿の人と思想 内田樹(アジアとの邂逅;日韓合邦の夢;社稷自治の理想;昭和維新の黒幕)
君民共治論 権藤成卿(第一章(公同政理の起源;大衆の公同帰一 ほか)
第二章(帯方百三十七県民の帰化;雄略朝の廓清 ほか)
第三章(蘇我氏の横虐;隋使の来朝、国使の派遣)
第四章(南淵先生;大化新制 ほか)
第五章(官治制の創設;大宝律令の準定 ほか) ほか)
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年、東京都生まれ。思想家、武道家、神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。専門はフランス現代思想、武道論、教育論など。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AppleSugar
3
前半は内田樹が、権藤成卿の生涯と彼が昭和維新に与えた影響について筆を執り、後半部は彼の思想の根幹をなす、「民の自ら治まるところに随ってこれを治む」に代表される君民共治論を原文のまま載せる、という構成。 彼の理想とする国とは、デヴィッド・グレーバーが「万物の黎明」で述べていた、近代国家の3つの必須要素、カリスマ・官僚制・軍隊のうち、カリスマのみが君臨し、直接民と協力して国を治める、という体制だった。宮沢賢治の国柱会への傾倒など、その時代を生きていない自分には理解しずらい問題への補助線が引ける本だと思った。2025/05/06
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