内容説明
現代社会はさまざまな公共の問題に関して、行政のみならず二つの民、すなわち市民(市民団体)や企業も積極的に役割を担うこと、さらにこれらの役割の相乗効果をできるかぎり高めることを求めている。本書では、このことをテーマとした論文を掲載している。
目次
プロローグ 二つの公共性と官、そして民
第1章 分権改革と二一世紀の地方自治
第2章 市民主導の計画づくり―日野市環境基本計画の制定過程
第3章 地方議会と住民投票制度―地域政治復権のために
第4章 小さな自治体と大きな市民自治―英国における公‐民関係
第5章 アメリカの自治から学ぶべきこと・学ぶべきでないこと
第6章 清掃行政と公民協働
第7章 民が主役で公が支える高齢者福祉
第8章 福祉のまちづくりと障害者の参加
第9章 スポーツ事業における公民協働の可能性―アイスホッケーチーム「日光バックス」の設立運動を素材にして
第10章 環境を守る農を生み出す民の力
エピローグ 公共を支える民―地域政治復権のために
著者等紹介
寄本勝美[ヨリモトカツミ]
1940年、和歌山県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。現在、早稲田大学政治経済学部教授、法学博士(京都大学)。専攻は地方自治・環境政策。主著に『ゴミ戦争』(日経新書、1974年)、『現場の思想と地方自治』(学陽書房、1981年)、『自治の現場と「参加」』(学陽書房、1989年)、『ごみとリサイクル』(岩波新書、1990年)、『自治の形成と市民』(東京大学出版会、1993年)、『政策の形成と市民』(有斐閣、1998年)
市川喜崇[イチカワヨシタカ]
1963年、長野県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。現在同志社大学法学部助教授、博士(政治学、早稲田大学)。専攻は地方自治とくに日本の中央―地方関係。共著に『現代の分権化』(敬文堂、1995年)、『グローバリゼーションと地域』(八朔社、2000年)など
早川淳[ハヤカワジュン]
1964年、東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。現在、渋谷区役所職員。専攻は市民参加のまちづくり、都市政策。共著に『分権時代の自治体職員7住民・行政の協働』(ぎょうせい、1998年)、『自治が広がる地方分権推進計画を読む』(ぎょうせい、1998年)
岩崎恭典[イワサキヤスノリ]
1956年、京都府生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。現在、中央学院大学法学部助教授(2001年4月に四日市大学総合政策学部教授就任予定)。専攻は地方自治とくに都市制度論、地域団体論。共著に『大都市における地域行政』(東京市政調査会、1994年)、『分権時代の自治体職員7住民・行政の協働』(ぎょうせい、1998年)、『地方自治の現代用語 新版 第一次改訂版』(学陽書房、2000年)など
小原隆治[コハラタカハル]
1959年、長野県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程満期退学。現在成蹊大学法学部教授。専攻は地方自治史とくに制度史。共著に『藤沢市議会史 記述編』(藤沢市議会事務局、1991年)、『21世紀の地方自治戦略1自治の原点と制度』(ぎょうせい、1993年)など
佐藤学[サトウマナブ]
1958年、東京都生まれ。ピッツバーグ大学政治学部大学院博士課程中途退学。現在、ピッツバーグ日本語補修授業校講師、政治学研究者。専攻はアメリカ自治研究
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