内容説明
ラカンの奇妙な比喩の意味を理解しようとするうちに、彼が用いる難解な言葉や言い回しは、その背後になにか深い意味が隠されているのではなくて、実は、彼が自分自身の考えに対して抱いていた迷いの表れであるということが明らかになっていった。他の注釈者はラカンに真似て曖昧さを大事にしたが、私はその靄を取り除き―たとえそれが、王様は裸だという事実を示すことになるとしても―表面下にあるものを暴露したかったのだ。
目次
ラカンからダーウィンへ
四年の後に
カウンセラーの立場からエヴァンスを読む(冨岡伸一郎)
著者等紹介
エヴァンス,ディラン[エヴァンス,ディラン][Evans,Dylan]
1966年英国ブリストル生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、ニューヨーク市立大学、ケント大学、イギリスサウサンプトン大学などで心理学、ロボット工学、医学哲学、精神分析などを研究。現在、アイルランドのUniversity College Cork、医学部で行動科学部門のレクチャラーを務める
桜井直文[サクライナオフミ]
1948年宮城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退。ヨーロッパ17世紀思想史専攻。現在、明治大学法学部教授
冨岡伸一郎[トミオカシンイチロウ]
1982年東京都生まれ。シラキュース大学心理学科を経て、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ心理カウンセリング学科修士課程修了。現在、都内の路上生活者支援施設で相談員として活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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