出版社内容情報
《内容》 精神病理学における臨床的な疑問に対して、従来の記述精神病理学からは満足のゆく解答を得られなかったという著者が、30年以上にわたり取り組んできた独自の探究の大いなる成果。生物学的還元主義からも哲学的・人間学的精神医学からも一定の距離を保ちつつ、精神病理学の「第三の道」とも評される大規模な試論を提示。 《目次》 日本語版への序1 時代にふさわしからぬ試みへの序2 全体的精神病理学への道3 構造力動試論4 精神病理学総論および臨床精神病理学のための素材5 本態性精神症候論の構築の原理訳者あとがき文献索引(人名・事項)
内容説明
人間精神の全体的把握を目指す著者は、昨今の生物学的還元主義からも、哲学的・人間学的精神医学からも一定の距離を保ちつつ、精神病理学の「第三の道」を開拓しようとする「構造力動論」の壮大なる試論を本書において提言する。ロマン主義精神医学に由来する「力動」の概念、心的拡がりを把握するための「構造」の概念―この両概念の相互連関を追及することによってはじめて、「心的場」における全体としての精神の機能が理解され、心身の概念は比類のない深化を達成することができる。本書には、構造力動論の成立過程をも含めて、その理論展開のエッセンスが清澄な記述で凝縮されている。
目次
1 時代にふさわしからぬ試みへの序
2 全体論的精神病理学への道
3 構造力動試論
4 精神病理学総論および臨床精神病理学のための素材
5 本態性精神症候群の構築の原理