内容説明
深刻化する地球環境問題の解決は全人類にとって避けられない課題である。米国で始まり、徐々に欧州にも浸透しつつある権利取引市場は、この問題解決にどのような役割を果たすであろうか。法制度の障壁、倫理上の違和感、市場管理の問題など、超えねばならない課題が多い。豊富な実例をもとに、今後の進展を予想する。
目次
第1部 既存システムにおける経験(大気汚染抑制のための排出権取引:米国の経験;土地利用管理への権利取引の適用;水質源管理と水質汚染抑制のための権利取引 ほか)
第2部 排出権取引実施上の障害:特定のプロジェクトからの教訓(排出権取引実施上の障害:ノルウェーの場合;排出権取引実施上の障害:ポーランドの場合;排出権取引実施上の障害:スイスの場合 ほか)
第3部 その他の実施上の諸問題(排出権取引と他の環境政策手段との共存性;排出権取引と産業の競争力:課題と証拠の概観)
著者等紹介
小林節雄[コバヤシセツオ]
理学博士。1957年、京都大学大学院終了後、日立製作所中央研究所に入社。その後、日立原子力研究所・日立エネルギー研究所に在籍し、原子力エネルギー(原子力発電技術)の研究・開発に従事。この間、日本原子力研究所、旧動力炉核燃料開発事業団に出向、国の原子力開発計画に参画し、とくに高速増殖炉の研究・開発に従事。1987~1994年、高速炉エンジニアリング(株)取締役。1996年5月、日立製作所定年退職。現在は、環境・エネルギー分野の広報と翻訳活動に従事
山本寿[ヤマモトヒサシ]
工学博士。1960年、大阪大学理学部原子核物理研究科修士課程卒業、同年、日立製作所中央研究所に入社。その後、動力炉核燃料開発事業団高速実験炉部技術課長、日立製作所原子力事業部主管技師長を歴任。1994~1998年、高速炉エンジニアリング(株)取締役。現在、埼玉工業大学および法政大学工学部非常勤講師、(株)ペスコ技術顧問、核燃料サイクル開発機構高速実験炉部非常勤嘱託
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