内容説明
細菌学者である著者が北大退官記念として出版した随筆集。若い頃より木下杢太郎に傾倒し今も意欲的に内外の文学書に親しむ著者の眼差しは豊かなロマンに満ち、対象を鋭くとらえる科学者としての観察眼にあるしなやかさを加味し本書の魅力となっている。
目次
記憶の中の旅
（ブリティシュ・コロンビア大学の図書館；モスクワのホテル；プルーストの家；ナポリの少年；サンフランシスコの午後；ペーダーセン博士訪問記；オックスフォード訪問；Ｓｎｏｗ Ｉｎｎ訪問記；カラカスの思い出 ほか）
欧州旅行記
アメリカの旅から
書物巡歴
（「木下杢太郎全集」のこと；チェホフの家を訪ねて；Ｉｒｗｉｎ Ｓｈａｗのこと；探偵小説と疫学 ほか）
学問の声
（コレラ菌論争；Ｈｅｎｒｙ Ｓｉｇｅｒｉｓｔのこと ほか）
追想
（追憶の中村豊先生；稗貫郡大迫村；山崎春雄先生；ボロフ博士；クレイグ博士；ソ連の女史達）
銀杏並木（鯉のぼり；日曜の散策；氷の花；二人の医師 ほか）
