工藤利三郎―国宝を撮した男・明治の写真師

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  • サイズ 46判/ページ数 310p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784906108527
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

美術カメラマンの原点。明治時代に国宝を愛し、撮した男。徳島出身、西南戦争へも従軍。奈良に在住し、約1,000点の国宝、寺院・神社などの古美術を撮影し普及、保存に貢献した。岡倉天心、喜田貞吉、水木要太郎、近衛篤麿、佐伯定胤、ベルツ、会津八一との交友録。

目次

序章 錦を飾った徳島から古刹の奈良へ
第1章 猿沢池・興福寺の薫風
第2章 日本の精華誕生
第3章 岡倉天心の示唆と厚遇
第4章 国宝を撮した写真師
第5章 帝室御物と日光東照宮の撮影行
第6章 トク・ベルツ博士と琴の音
第7章 還暦を節目に『日本精華』第一輯を刊行
第8章 精華苑を訪れた会津八一との出会い
第9章 晴れの音楽学校「御代万歳」
第10章 古稀の挑戦「豊州磨崖仏」
第11章 花が咲いた美しい所に行く

著者等紹介

中田善明[ナカタヨシアキ]
昭和9年(1934)大阪に生まれる。昭和32年(1957)関西大学経済学部卒業。前向陽台高等学校長・同人誌『葦』主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Shoji

24
工藤利三郎は、明治26年に徳島から奈良に移り住んで写真館を開業した。当時、日本の文化財は海外において価値を見出され、国外への流出が相次いでいた。危機感を抱いた工藤は、せめて写真に残そうと、以来、文化財の撮影に専念した。その活動が日本の文化財の普及・保存に貢献したことは言うまでもない。撮影された文化財の写真は、後世で補修がなされる前の姿を写したものが多く、学術的に貴重なものが多いという。恥ずかしながら、工藤利三郎という名を今回初めて聞いたが、大切な奈良の恩人だと思った。いや、日本の恩人だ。2024/03/05

イッセイ

3
奈良の写真家で有名なのが、仏像や寺社仏閣の姿を写した入江泰吉。しかし彼よりも前、明治時代に同じように写真を撮ったのが工藤利三郎だった。40代半ばに、四国から奈良へ出てきた工藤は、岡倉天心などの有識者の理解を得ながら、次々に撮影していく。本書では、身寄りのない女の子2人を養女にして目をかけて育てたこと、晩年は情熱が薄れ酒に溺れたことなど、工藤の人間臭さを浮き彫りしたところもおもしろい。2024/04/21

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