内容説明
時代のうねりの中に身をさらす歌人の日乗。団地暮らしの思想、事物への愛着、あるいは短歌論など今、注目される小池光のエッセイを初めて集成。
目次
団地暮らし、感想
笑いの位相
男性のうちなる女性―短歌とエロチシズム
リズム考
エロチシズム・わいせつ・暴力
むきだしの気品
「在る」と「ない」
街角の事物たち
最後のペン
華厳の滝と灰皿〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hirom
1
自分が短歌誌掲載の採否をお願いしている方なので読んでみた。これまでは短歌作品だけで尊敬していたのだった。本書では、短歌の短歌たる由来を考察した「リズム考」が素晴らしい。目を開かれ、沢山のことを教わった。また他のセクションでは、同時代歌人、所謂ライバルの歌集への批評が歯に衣着せぬ勢いで素晴らしいし、自分は頷きながら読むばかりで情けないほどだ。ことに、個性際立つ歌人である岡井隆氏や福島泰樹氏の作品への批評は、斬鉄剣の如く切れ味が冴える。短歌人会員のみならず、歌詠みを志す者には必読と思う。偉そうに。2017/04/27




