内容説明
今まで哲学を戦場として捉えることがあったであろうか。あったとすればどのような哲学が戦場を意識していたか、さらに哲学においてどこに戦場があるのか、そしてさらにどこかに戦場があるならば、いったい何と戦うのか、つまり真の戦いのためにまず自軍の総点検(それは自らに対する戦いでもある)が必要だろうし、そのうえで哲学固有の真の戦いへと赴くのか、あるいは両面作戦か。本書に掲載されている八本の論文はすべて、「哲学の戦場」を意識して書かれている。読者は必ずや、哲学の本質も哲学の戦いの内実についても理解されることであろう。
目次
未来の記憶―哲学の起源とヘーゲルの構想力についての断章
ヘルダーリン『ヒュペーリオン』を読むということ
モーツァルトのオペラにみる近代
アリアドネは歎く―詩人としてのニーチェ
自閉症スペクトラムの存在分節
虚空と風―南方熊楠の「場所」をめぐって
自閉症の哲学的考察による「人間」観の再考
「自然」の取戻し―カント『判断力批判』の読み方
著者等紹介
那須政玄[ナスセイゲン]
1947年東京都生まれ。1976年早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程退学。早稲田大学名誉教授
野尻英一[ノジリエイイチ]
1970年東京都生まれ。2004年早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。学術博士(早稲田大学)。2010年度フルブライト研究員/シカゴ大学客員研究員。2011年度日本ヘーゲル学会研究奨励賞受賞。2015年度社会理論学会研究奨励賞受賞。現在、大阪大学人間科学研究科准教授(比較文明学)。専門は哲学、倫理学、社会理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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